青野照市

青野照市の将棋人生

青野照市（あおの てるいち）は、1953年1月31日生まれ、静岡県焼津市出身の将棋棋士です。彼は、廣津久雄九段の門下に属し、棋士番号は114。彼の将棋界での主な業績としては、竜王戦1組に6期、順位戦A級に11期在籍、王座戦に1度挑戦、そして4回の棋戦優勝があります。

青野はその将棋スタイルを「研究派」として知られています。彼はA級在籍中、大山康晴、中原誠、米長邦雄、谷川浩司といった伝説的な棋士たちと競い合いました。また、羽生善治、佐藤康光、森内俊之、藤井猛といった「羽生世代」が台頭する時期にも、彼は健闘を続けました。特に、1999年のB級1組順位戦での1位獲得は、彼に「中年の星」という名を与えました。この年、彼は10年ぶりにA級に復帰し、当時の若手有力棋士たちとの対局を経て、更なる成長を遂げました。

彼は、2022年4月27日からは現役最古参棋士となり、さらに現役で70歳を超えた棋士でもありましたが、2024年6月13日をもって引退を表明しました。

棋歴の歩み

青野は中学生の頃から将棋に興味を持ち、1968年に新進棋士奨励会に4級で入会しました。彼は将棋会館での生活を始め、その後成長を遂げ、1974年には四段昇進を果たしました。プロ入りからわずか1年で新人王戦を制し、その翌年には順位戦での昇級も達成しました。

1978年には公式戦15連勝を記録し、同年の名棋戦でも優勝を果たしました。また、1979年には再び新人王戦で優勝し、その後も安定した成績を残し続けました。1980年代には、A級八段に昇進し、数度のタイトル戦にも挑戦しましたが、いずれも惜しくもタイトルは獲得できませんでした。

1990年度には竜王戦で1組優勝を果たし、2000年には通算600勝を達成。この年、昭和20年代生まれの棋士ながらもまたA級に在籍するなど、実力と経験を兼ね備えた棋士としての地位を不動のものとしました。

研究戦法と著名な戦績

彼は多くの独自の戦法を開発し、特に「鷺宮定跡」の創始者として知られています。この定跡は、青野と同行の米長邦雄が共に住んでいた場所から命名されました。また、鷺宮定跡に関連する成績により、1998年には升田幸三賞を受賞しました。

青野はまた、急戦戦法や棒銀戦法でも名を馳せ、彼の独自の戦法は多くの棋士に影響を与えました。特に、横歩取り青野流などの研究も進め、若手棋士との競り合いにもその間に新たな戦法を生み出しました。

人物とエピソード

彼の奨励会時代には振り飛車に急戦を取り入れ、多くの人気を集めました。おそらく、棋士としての振る舞いや近代的なアプローチにより、青野の存在は将棋界に大きな影響を及ぼしました。また、たびたび若い棋士との対局を通じて新たな技術を学び、成績に繋げてきました。

青野照市は、数々の困難や逆境を乗り越えた棋士として、将棋界に多大な影響を与え、生涯にわたり活躍した姿は多くの棋士、ファンにとっての希望や目標とされています。彼の引退後もその功績は語り継がれていくことでしょう。

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