静安寺

静安寺（Jing'an Temple）

静安寺は、上海市静安区南京西路に位置する著名な仏教寺院です。その歴史は3世紀の三国時代に遡り、江南地域における仏教文化の重要な拠点として、長い間その名を刻んできました。遣唐使として中国に渡った空海もこの地を訪れたと伝えられています。

歴史

寺の記録によれば、247年に呉の孫権の命により、康僧会によって創建されたとされています。当初は滬瀆重元寺と呼ばれ、呉淞江の北岸に位置していました。唐代には永泰禅院と改称されましたが、北宋時代の1008年に現在の静安寺という名前に改められました。その後、南宋時代の1216年に、洪水の被害を避けるために現在の場所に移転されました。

元の時代には、静安寺は多くの参拝者を集め、境内の8つの名所が「静安八景」として知られるようになりました。山門の前に湧き出る泉は「天下第六泉」と称えられました。明代には、1369年に洪武大鐘が鋳造され、現在も寺の宝として保存されています。

1860年、太平天国の戦火により堂塔は倒壊しましたが、その後胡雪巌らの支援によって再建されました。再建後、毎年旧暦4月8日の釈迦の誕生日に寺廟の縁日が行われ、上海の重要な民俗習慣となりましたが、1963年に中断されました。1862年には、租界から静安寺に至る静安寺路（現在の南京西路）が開通し、交通の要所としての地位を確立しました。1899年には、上海共同租界が拡張され、静安寺周辺は商業の中心地として発展しました。1908年には、静安寺を起点とする路面電車が開通し、参拝者の往来がさらに活発になりました。1921年には、仏殿の東側に三聖殿が建設されました。

1912年には、静安寺において中国仏教総会が創立されました。1953年には、持松法師が境内に真言宗の道場を開設し、密教の拠点として再興されました。

しかし、1966年に始まった文化大革命により、静安寺は大きな被害を受けました。仏像や法具は破壊され、僧侶は還俗を余儀なくされました。寺はプラスチック工場に改築され、1972年には火災で焼失し、廃墟と化しました。

1979年以降、中国政府の宗教政策の転換により、静安寺は再び宗教施設として指定されました。1983年には、国務院によって漢族地区の仏教全国重点寺院の一つに認定され、1984年から再建が始まりました。赤烏山門、天王殿、三聖殿、功徳堂、方丈室などが次々と再建され、1990年に基本的な修復を終え、対外開放されました。1991年には仏像の開眼式が行われ、寺域は中華民国時代の規模に回復しました。現在、静安寺は中国内陸における重要な密教の道場となっています。2008年6月からは本殿の全面改築が行われ、一部の仏像が旧本殿の地階部分で公開されています。中国の旧暦では、毎月1日と15日に無料開放されています。

建築

静安寺の主要な建築物としては、以下のものがあります。

天王殿
大雄宝殿（仏殿）：高さ3.9mの玉仏があり、中国最大です。
三聖殿
功徳堂

文化財

静安寺には、以下のような貴重な文化財が所蔵されています。

明朝時代の銅鐘（洪武大鐘）
南宋の光宗の「雲漢昭回之閣」碑
蘇軾、文徴明、揚州八怪、呉昌碩、張大千などの名人書画
王一亭の仏画

交通

上海地下鉄2号線、7号線、静安寺駅が最寄り駅です。

外部リンク

上海静安寺（中国語）

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