静清モノレール

静清モノレールとは

静清モノレール（せいせいモノレール）は、旧静岡市と旧清水市で構成される静岡県において、1960年代から1970年代前半にかけて構想された都市モノレール路線の計画です。両市は2003年に合併しましたが、それ以前から合併の議論が行われていました。1965年には静清広域行政協議会が設置され、同じく地域の発展を目的とした事業が進められました。

背景と基本計画

1970年、静清広域都市計画区域が設定され、都市の一体的な発展を図るための基本計画が策定されました。特に、都市の移動・交通機能を強化する役割を持つモノレールが重要視され、各方面からの支持を受けつつ、構想が具体化していきました。計画をとりまとめた丹下健三は、都市の機能を強化するため「都市軸」という新しい概念を導入しました。この理論では、従来の都心部に対する交通機能を強化することで、周囲の市街地との一体的な発展を図ることが提唱されました。

モノレール路線の概要

静清地域の基本計画には、以下の3つのモノレール路線が検討されました。

1. 用宗駅 - 八木間（約24km）
主要な駅として大坪町、聖一色、草薙を経由し、清水駅と接続。この路線は、東海道線や静岡鉄道静岡清水線と並行する形式で設計されていました。

2. 山崎 - 真崎（約31km）
新静岡駅と静岡駅を経由し、南北方向に延びるルートで、清水駅を含む計画がありました。この路線は全体として「W」の字の形になっていました。

3. 鳥坂 - 日本平（約8km）
南北の交通を担う路線で、草薙駅と接続予定でした。

その他の調査と検討

1970年代に入ると、静岡県が実施した静清地区総合都市交通体系調査では、上記のモノレールに加えて新たな路線計画も提案されました。特に、約39kmの路線が計画され、南北方向の交通機能を強化する役割が期待されました。この段階で、清水駅から真崎までの約11kmが先行開業される計画もありました。

年表と進展

• - 1965年: 静清広域行政協議会の設置。
• - 1967年: 両市長間でモノレール構想が発表。
• - 1969年: 都市開発基本計画の研究依頼。
• - 1970年: 基本計画発表、モノレール路線3つの計画も記載。
• - 1972年: 都市計画区域が統合され、静清広域都市計画区域が設立。
• - 1973年: モノレール計画の詳細設計が進行。

結論

静清モノレールは静岡市と清水市の融合を促進するために計画された重要な交通インフラでしたが、最終的には1970年代半ばに計画が中止されました。その後の発展と地域統合の過程は、この構想に大きな影響を及ぼすものとなりました。実現には至らなかったものの、静清モノレールの構想は交通政策や都市計画の持つ可能性を示すものとして記憶されています。

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