非転向長期囚

非転向長期囚とは

非転向長期囚とは、政治犯として投獄された後、刑期を満了したにもかかわらず、自身の思想を変えない（非転向）という理由で、釈放されずに拘束が継続されている人々を指します。この問題の根底には、行為そのものではなく、個人の内面にある思想を裁こうとする姿勢が存在します。

日本における非転向長期囚

1930年代から第二次世界大戦終結までの日本では、治安維持法に違反したとして投獄された人々が、刑期を終えても思想を改めない場合、拘束が継続されました。逆に、思想を改めたと判断された場合には、釈放が認められていました。これは、国家の思想統制を目的としたものであり、個人の思想の自由を著しく侵害するものでした。

韓国における非転向長期囚

韓国では、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）のスパイ活動に関与したとされる人々、1950年代のパルチザン、または反政府活動家などが、国家保安法違反の容疑で逮捕されました。これらの人々の中には、転向や帰順を拒否したために、長期にわたって拘束された者が多くいました。中には、40年近くも獄中で非転向を貫いた人々も存在しました。彼らが転向を拒否した背景には、北朝鮮に家族を残しているという事情も影響していたと考えられています。

金泳三政権下では、朝鮮人民軍の従軍記者であった李仁模が北朝鮮へ送還されました。さらに、金大中政権は太陽政策の一環として、2000年の6.15南北共同宣言後、同年9月2日に63名の非転向長期囚を北朝鮮へ送還しました。ただし、この中には、すでに釈放されていた人々も含まれていました。この送還された人々の中には、日本人拉致に関与した疑いのある辛光洙も含まれていました。

非転向長期囚の問題は、個人の思想の自由と国家の安全保障という、相反する二つの要素が絡み合った複雑な問題です。この問題は、過去の歴史的な出来事としてだけでなく、現代においても、人権問題として深く考察されるべき課題と言えるでしょう。

関連情報

* ドキュメンタリー映画: 『送還日記 송환』 - この映画は、非転向長期囚の送還に関するドキュメンタリー作品です。

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