鞆鉄道線

鞆鉄道線 (ともてつどうせん)

鞆鉄道線は、1913年から1954年にかけて、福山駅と鞆駅を繋いでいた鉄道路線です。この路線は、当初は軽便鉄道として開通し、762mmのナローゲージを採用していました。知られざる特徴として、使用されていた蒸気機関車の煙突がラッキョウに似ていたことから、通称「ラッキョ汽車」としても親しまれていました。

路線のデータ

1945年時点の路線距離は12.5キロで、福山から鞆までの間に12の駅がありました。全区間は単線であり、非電化の路線でした。運行当初は、蒸気機関車とガソリン動車が使用され、1930年代後半には自動車の台頭に伴い、運行本数の増加が求められました。

歴史的背景

この鉄道の設立は1909年にさかのぼります。福山町から鞆町へと向かう交通機関を求める声が高まり、当時の有力者たちが協力して計画を進めました。1910年には軽便鉄道法に基づいて鞆軽便鉄道が設立され、同年11月には株式会社化されました。初代社長の林半助は、鞆の町の名士であり、他の役員も地元の資産家が占めていました。

1913年11月17日、 野上と鞆間の開業を皮切りに、1914年4月には福山町から野上までの区間も開通しました。しかし、台風による被害や事故が続き、1925年には置き石によって機関車が転覆する悲劇もありました。1931年には福山 - 三ノ丸間が開通するなど、路線は徐々に発展しましたが、1954年4月には全線が廃止され、バスによる代替が進みました。

車両の変遷

開業時に蒸気機関車4両や、ボギー客車6両などが揃えられましたが、1920年代にはガソリンカーの導入が進みました。戦後には新たに機関車や客車を購入しましたが、廃線が近づくにつれて老朽化が進み、蒸気機関車は次第に使用されなくなりました。廃線後には、一部の車両が他の鉄道へ売却されたり、静態保存されたりしました。

接続路線や駅一覧

福山駅では、国鉄山陽本線や福塩線との接続があります。1954年時点での主要な駅には、福山、三ノ丸、野上、草戸稲荷、半坂、妙見、水呑薬師、水呑、葛城、田尻村、金崎、鞆が含まれていました。

まとめ

鞆鉄道線は、地域の人々の交流に重要な役割を果たしながら、数多くの歴史的な出来事と共に歩んできた鉄道路線です。かつての賑わいを今に伝える姿を、今なお多くの人々が懐かしんでいます。

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