鞍山市

鞍山市の概要

鞍山市（あんざん-し/アンシャン-し）は、中華人民共和国遼寧省の中心部に位置する地域として知られています。古くから鉄の産出地として名高く、現在も中国最大の鉄鋼生産拠点の一つとなっており、「鋼都」としての地位を確立しています。市内には満洲族や回族など、さまざまな少数民族が住む多文化の街でもあります。

地理環境

鞍山は遼東半島のほぼ中央に位置し、東経122度55分から123度13分、北緯40度27分から41度34分に広がっています。市の面積は9,252平方キロメートルで、市区の面積は624平方キロメートルに及びます。南北に175km、東西には133kmの広がりを持ち、県都・瀋陽まで89km、港町の大連まで300kmの距離にあります。周囲には丹東市や遼陽市、盤錦市、大連市などが接しており、便利な交通網が整っています。

市の名称は、街の南側に位置する二つの山が馬の鞍に似ていることに由来しています。これらの山は、鞍山駅に向かう列車からも視認できる特徴的な地形です。また、名所である千山は独特の奇岩がそびえており、訪れる人々に愛されています。気候は温帯大陸性で、夏は高温、冬は厳寒と、四季の変化がはっきりしています。

歴史的背景

鞍山市の周辺地域は、戦国時代には燕国の遼東郡に属し、以降も古代からの歴史を持つ土地です。鞍山の鉄の採掘は前漢時代から行われ、唐代以降に発展しました。しかし、清代の初期には一時的に鉄の採掘が禁止され、経済的には厳しい時期を迎えます。その後、第一次世界大戦後に日本が南満州鉄道を設立し、特に1918年には鞍山製[[鉄所]]が設立され、再び製鉄業が盛んになりました。

1949年の中華人民共和国成立以後、鞍山は注目を集め、1954年には遼寧省に統合されました。市の行政区画も度々変更されながら、現在の範囲に落ち着きました。

経済と産業

近年、鞍山市政府は五カ年計画を策定し、伝統的な鉄の街から現代の工業都市や観光都市への転換に取り組んでいます。外資の誘致やハイテク化も進められ、地域経済の多様化が図られています。

鉄鉱石の埋蔵量は全国の約4分の1を占め、その採掘と製鋼業が主要な産業です。社会的には冶金、石油化学、機械、電子機器といった多様な産業が立地し、農産物としてはとうもろこしや大豆、地元特産の梨やヒスイも有名です。

交通網と観光名所

鞍山市は交通の要所でもあり、主要幹線道路が整備されています。新堡に位置する鞍山騰鰲空港は、国内のアクセスにも便利です。

観光地としては、奇岩山脈の千山が有名で、多くの観光客が訪れます。また、湯崗子温泉もあり、唐代以来の歴史を持つ温泉地として知られています。玉仏苑には、岫巖で作られた世界最大のヒスイで作られたブッダ像があります。

友好都市

鞍山市は、国際的にも多くの友好都市を持ち、日本の尼崎市やイギリスのシェフィールドをはじめ、韓国の安山市、ロシアのリペツクなど多国籍な交流を行っています。

多様な文化、歴史、産業が共存する鞍山市は、訪れる価値のある地域です。

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