鞍掛峠

鞍掛峠（くらかけとうげ）

鞍掛峠は、三重県いなべ市と滋賀県犬上郡多賀町を繋ぐ、国道306号上に位置する峠です。鈴鹿山脈の主稜線、焼尾山と鈴北岳との鞍部に位置し、伊勢湾へ注ぐ員弁川と琵琶湖へ流れる犬上川との分水嶺となっています。

概要

峠の道は全区間追い越し禁止となっており、特に三重県側は道幅が狭く、大型車は対向車線にはみ出さないと曲がれない箇所もあります。鞍掛トンネルの東西の出入口からは登山道が通じており、南北に走る登山道と交差しています。峠には小さな祠がひっそりと佇んでいます。

冬季期間（おおむね12月上旬から3月下旬）は積雪のため通行止めとなります。

歴史

鞍掛峠という名称の由来は、858年（天安2年）に惟喬親王が藤原良房の追討を逃れて都から落ち延びる際、この地で馬の鞍を外して休憩したことにちなむと伝えられています。

古くは竜華峠（りゅうげとうげ）とも呼ばれていました。三重県北部の住民にとっては、京都へ納骨に向かうための道であり、一方、彦根界隈の住民にとっては伊勢神宮へ参拝するための道でした。彦根藩の参宮道路としても重要な役割を果たしていました。詳細については、鞍掛トンネルの三重県側の看板に記されています。

1990年代半ばまでは、滋賀県側の麓から峠までの区間はほぼ全線がダート道でした。

2012年から2019年にかけては、台風や災害による崩落が相次ぎ、長期間にわたり通行止めとなっていました。2012年9月には平成24年台風第17号の影響で大規模な崩落が発生し、2014年11月まで2年以上にわたって通行止めが続きました。さらに、2016年3月には大雨により滋賀県側で法面が3箇所崩落し、その対策工事のため、2019年初旬まで通行止めとなる見込みが示されました。約3年の歳月を経て、2019年5月29日にようやく通行止めが解除されました。

その他

鞍掛峠は、豊かな自然に囲まれた場所であり、ドライブやツーリング、登山を楽しむ人々にとって魅力的なスポットです。しかし、道幅が狭い箇所や急カーブが連続する箇所もあるため、通行には十分な注意が必要です。特に、大型車や運転に不慣れな方は、事前に道路状況を確認することをおすすめします。

関連項目

日本の峠一覧

外部リンク

桑名建設事務所
* 地図閲覧サービス・鞍掛峠 (滋賀県犬上郡多賀町) (国土地理院)

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