鞍馬 (巡洋戦艦)

鞍馬（くらま）

鞍馬は、日本海軍が保有した巡洋戦艦で、建設当初は装甲巡洋艦として知られていました。その艦名は、京都に位置する鞍馬山に由来しています。この艦は姉妹艦の伊吹と共に海軍の中で重要な役割を果たしました。

建造経緯

この艦は1904年の日露戦争に伴う臨時軍事費のもとで建造が決定されました。1905年1月31日に横須賀への製造指令が発行され、同年6月11日に艦名が「鞍馬」と内定されました。その後、8月23日に横須賀海軍工廠で起工し、1907年10月21日に進水しました。この進水式には明治天皇とその皇后が臨席し、一等巡洋艦として正式に命名されました。

1911年2月28日に竣工し、計画時には香取型戦艦に匹敵する砲力を実現後、ドレッドノート型戦艦の出現によって、就役時点では既に旧式艦としての地位を持つことになりました。3月1日には第2艦隊に編入され、早速その任に就くこととなりました。

戦歴と任務

就役早々、鞍馬はジョージ5世の戴冠式における観艦式に参加するため、利根と共に遣英艦隊を編成しました。1911年4月1日に横須賀を出港し、6月24日にスピットヘッドで観艦式に参加しました。その後、1912年度には主砲塔に3インチ子砲を装備する訓令が出され、同年8月の艦艇類別表改訂では巡洋戦艦として扱われることとなりました。

1914年には第一次世界大戦が勃発し、鞍馬は東シナ海の警備を担当しつつ、日本のドイツへの宣戦布告を受けて積極的に戦闘任務に就きました。1915年には旗艦を務め、商業保護や占領支援の任務に従事しました。

1918年には修理を受け、同年4月には第3艦隊第5戦隊に編入されました。しかし、同年5月18日に暗礁に触れ、損傷を負ってしまいました。これにより、修理を行ったものの、艦艇の役割は徐々に低下していきました。

シベリア出兵とその後

1919年から1920年にかけてはシベリア出兵に参加し、ロシア沿岸を航行する任務を果たしました。この際、一般公開も行い、数万人の市民が訪れるなど人気を博しました。しかし、1922年にはワシントン海軍軍縮条約により廃棄が決定され、1923年に除籍、続いて解体されました。

艦長とその歴史

鞍馬の艦長としては、多くの将官がその指揮を執りました。初代艦長は中野直枝大佐であり、その後も多くの艦長が交代し、時代ごとの任務を遂行しました。彼らは鞍馬の歴史とともに、日本海軍の発展に貢献しました。

まとめ

鞍馬は、日本海軍において重要な艦艇でした。その建造から解体までの歴史は、日本の海軍力の発展を象徴するものであり、多くの歴史的な瞬間を刻んでいます。現在は鞍馬山をはじめとする名称にその足跡を残しています。

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