韋世康

韋世康（い せいこう）

韋世康（531年 - 597年）は、中国の西魏から隋にかけて活躍した官僚・政治家であり、その生涯は激動の時代を反映しています。本貫は京兆郡杜陵県。

生涯

若き日の台頭

韋世康は、韋敻の子として生まれました。幼い頃からその才能を発揮し、10歳にして州に召されて主簿という役職に就きました。西魏に仕え始めると、若くして直寝となり、漢安県公に封じられます。さらに、元宝炬の娘である襄楽公主を妻に迎え、儀同三司という高い位を与えられました。

北周での活躍

北周に入ると、韋世康は典祀下大夫という役職に就き、その後、沔州刺史、硤州刺史といった地方官を歴任しました。北周の武帝が北斉を滅ぼすと、その功績を認められ、司州総管長史という重要な役職に任じられました。その後、中央に戻り、民部中大夫、司会中大夫と昇進を重ね、位は上開府にまで上りました。

隋朝での重用

大象2年（580年）、尉遅迥が乱を起こすと、当時の権力者であった楊堅（後の隋の文帝）は、汾州と絳州の防備を固めるために、韋世康を絳州刺史に任じました。隋が建国されると、開皇元年（581年）には礼部尚書に任命され、まもなく上庸郡公に封じられました。同年12月には吏部尚書に転じ、人材登用を司る重要な役職を担いました。

開皇4年（584年）には、母の喪に服すために一度辞職しましたが、文帝からの強い要請を受け、服喪が終わらないうちに吏部尚書に復帰しました。開皇7年（587年）には、南朝陳に対する征討に先立ち、襄州刺史に任じられ、軍事面でもその能力を発揮しました。陳が滅亡すると、開皇9年（589年）には安州総管、閏月には信州総管と、地方の要職を歴任しました。開皇13年（593年）には再び中央に召還され、吏部尚書に任じられ、開皇15年（595年）には荊州総管として再び地方に出ました。

死とその後

開皇17年（597年）8月、韋世康は荊州で67歳で亡くなりました。その功績を讃えられ、大将軍の位を追贈され、諡号は文とされました。

子女

韋世康には多くの子がおり、彼らもまた、隋の時代に様々な形で活躍しました。

韋福子（司隷別駕）
韋福嗣（内史舎人、後に罪を受けて左遷。楊玄感の乱で捕らえられ処刑）
韋福奨（通事舎人、楊玄感の乱で戦没）

評価

韋世康は、その卓越した政治手腕と軍事的能力により、西魏、北周、隋という激動の時代を生き抜き、それぞれの王朝に貢献しました。特に、隋の文帝からの信頼は厚く、数々の重要な役職を任され、隋の発展に大きく寄与しました。

伝記資料

『隋書』巻47 列伝第12
* 『北史』巻64 列伝第52

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