韓半島 -HANBANDO-

韓半島 -HANBANDO- (2006)

『韓半島 -HANBANDO-』（ハンバンド、原題：한반도）は、カン・ウソク監督による2006年公開の韓国映画。

概要

本作は、南北統一を目前にした近未来の朝鮮半島を舞台に、日本との外交的衝突、歴史的陰謀、そして国家の未来をかけた人々の葛藤を描いた作品です。

公開当時、韓国国内では主要メディアから設定の甘さを指摘されるも、史上最大規模の配給で公開され、わずか5日で163万人の観客を動員する大ヒットとなりました。キャッチコピーは「7000万人の韓民族をスッキリさせる」。しかし、公開2週間後に公開された『グエムル-漢江の怪物-』に押され、最終的な観客動員数は約400万人にとどまりました。

カン・ウソク監督は、本作について「韓国が過去100年間に抱いてきた悲しみの感情を表現した」と語り、映画を通してお互いを理解し、整理すべき部分を整理することで友好的な関係を築けるというメッセージを込めたと述べています。

ストーリー

物語は、大韓民国（韓国）と朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）の南北統一が近づく近未来から始まります。しかし、統一を目前に、日本との間で外交的な衝突が発生します。

日本は、明治時代に大韓帝国（旧韓国）と締結した「日韓併合条約第10条」を根拠に、南北を結ぶ鉄道「京義線」の利権を奪おうと画策し、韓国政府に圧力をかけます。南北統一を目指す韓国大統領（アン・ソンギ）はこれに反発しますが、国家の安定と経済発展を優先する総理は、日本との関係維持を主張し対立します。

そんな中、歴史学者の崔珉哉（チョ・ジェヒョン）は、京義線に関する契約書に押された国璽が偽物であることに気づき、高宗皇帝（キム・サンジュン）が本物を隠したという事実にたどり着きます。崔は本物の国璽を発見し、大統領に届けようとしますが、拉致され国璽は壊されてしまいます。

大統領は、国璽を奪ったのは日本だと考え、日本大使館を包囲します。これに対し、日本政府は海上自衛隊の艦隊を派遣し、日本海で韓国海軍との間で武力衝突寸前の事態となります。

開戦を覚悟する大統領でしたが、総理によって毒を盛られ、意識不明の重体となります。総理は、日本やアメリカとの経済的な断絶が、韓国を北朝鮮のような悲惨な状況に陥れると考えていたのです。

しかし、壊された国璽も実は崔が作らせた偽物であり、崔は後輩のイ・サンヒョン（チャ・インピョ）と共に本物の国璽を発掘します。

キャスト

韓国大統領：アン・ソンギ
崔珉哉（チェ・ミンジェ）教授：チョ・ジェヒョン
総理：ムン・ソングン
イ・サンヒョン：チャ・インピョ
キム・ユシク：カン・シニル
高宗皇帝：キム・サンジュン
明成皇后：カン・スヨン
黒沢日本外務大臣：イ・ドリョン
大山在韓国日本大使：キム・ウンス
海上自衛隊海将補：武蔵拳

スタッフ

監督：カン・ウソク
製作総指揮：カン・ウソク、マイキー・リー
脚本：キム・ヒジェ、イ・ヒョーチュル
撮影：チェ・ヨンテク
編集：コ・インピョ
音楽：ハン・ジェクォン

補足

日本海での韓国海軍と海上自衛隊の対峙シーンは、韓国海軍の全面協力のもと、実際の艦艇を使用して撮影されました。一方、海上自衛隊の艦艇はフルCGで再現されています。映画には日本人の俳優も登場し、「むらさめ型護衛艦」などの艦名や、自衛隊独自の用語も使用されています。

関連項目

韓国の反日作品
朝鮮半島

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