韓綜

韓綜（かん そう）について

韓綜は、中国の三国時代において活躍した武将であり、呉および魏に仕官した人物です。彼の父、韓当もまた著名な武将であり、両者は同じ時代に存在しました。父親が存命である間、韓綜は孫権の元で忠実に仕官していたと考えられています。

生い立ちと初期の活動

韓綜は、父親の韓当と共に孫権に仕えていた時期、彼の生い立ちや初期の活動はあまり知られていません。しかし、父親が亡くなった黄武5年（226年）の出来事は、彼の人生に大きな影響を与えました。韓当が死亡した後、孫権は石陽に向けて軍を進めましたが、韓綜はこの時、父親の喪に服しているため、武昌に留まり守りを任されました。

逃亡と魏への仕官

しかし、韓綜は守りの任務を帯びる中で、次第に淫乱にふけり、無法な行為を働くようになりました。孫権は父の韓当を配慮し、公式にはこれを咎めなかったものの、韓綜はその結果に対して内心恐れを抱いていました。黄武6年（227年）の閏12月、韓綜は父の棺を持ち出し、母や家族、さらには数千の従者を引き連れて魏に逃げました。

魏に逃れた韓綜は、そこで将軍に任じられましたが、その後も呉との間で激しい緊張が続きました。彼は頻繁に辺境を侵略し、呉の民を攻撃するなど、戦闘行為を繰り返しました。これに対して、孫権は悔しさを抱きながらも、直接の対抗手段を講じることができませんでした。

最期と戦死

やがて東興の戦いが勃発し、韓綜は魏の将軍の一人としてこの戦に参加しました。しかし、戦の結果は彼にとって悲惨なものであり、諸葛恪ら魏の武将たちの前に敗北し、桓嘉と共に戦死してしまいます。戦死後、彼の首は孫権の廟に供えられることとなりました。

小説『三国志演義』では、韓綜はこの戦いで丁奉に斬られた魏の武将として言及されており、彼の名はこの物語の中で一度だけ取り上げられることになります。韓綜の存在は、三国志の複雑な人間関係と戦の流れを象徴する重要な一人であったと言えるでしょう。

参考文献

• - 『三国志』呉志 韓当伝に関する情報を基にした。

もう一度検索