丁奉

丁奉の生涯と武功

丁奉（てい ほう）は、中国三国時代の武将で、揚州廬江郡安豊県の出身です。彼の字は承淵で、弟の丁封と子の丁温がいます。彼に関する記録は主に『三国志』の呉志に残されています。

初期の経歴

丁奉は、孫権の時代に仕官し、勇猛な武将として名を馳せました。その姿勢から早くして年若い将軍へと昇進し、甘寧や陸遜、潘璋らと共に多くの敵を討ち取っていきました。戦場では何度も負傷し、その度に戦闘能力を示すことで名声を築きました。

戦いの時代

孫亮が即位すると、丁奉は冠軍将軍及び都亭侯に昇進しました。建興元年（252年）、魏の軍が攻撃をかけてくると、彼は諸葛恪の下、東興で迎え撃ちました。他の部将たちが楽観視する中、彼は唯一、戦闘への覚悟を持つように呼びかけました。

諸葛恪が軍を指揮すると、丁奉は唐咨や呂拠と共に山岳を進み、迅速に敵陣に向かいました。二日間の行軍の末、魏軍の前衛に奇襲をかけ、敵を壊滅的打撃を与えることに成功しました。この戦闘によって、呉軍は大勝し、丁奉は滅寇将軍として昇任され、都郷侯に封じられることとなりました。

後の戦功

五鳳2年（255年）には、魏の反乱に対処するため出撃し、戦闘で数百の敵将を討ち取って安豊侯に封じられました。太平元年（256年）には孫峻の命で呂拠の討伐に赴き、続いて太平2年（257年）では魏の諸葛誕の反乱にに彼の指揮した部隊が派遣されました。

その後、孫休が即位する際、丁奉は彼の忠臣として重用され、孫綱打倒のための計画に参加しました。丁奉の見込まれた才能により、彼は大将軍に任命されました。

終焉と評価

永安3年（260年）、丁奉は南方への軍事行動を指揮していましたが、その後、孫休の死去に伴い政局が不安定になる中、最終的には孫晧に仕えました。功績も多かった彼ですが、晩年には傲慢な態度が目立ち、結局は失脚しました。

生前に築いた名声にも関わらず、丁奉の死後、遺族は強制移住となり、その子・丁温も命を落としました。彼の残した影響は大きく、今なお民間伝説にその勇名が語り継がれています。

三国志演義と民間伝説

また、小説『三国志演義』では、彼の活躍が描かれており、特に赤壁の戦いにおける周瑜との協力などが知られています。また、伝説として、丁奉はつぶての名手として数多くの物語でも語られています。彼の像には、未だに二つの鉄のつぶてが握られており、その名声は時代を超えて生き続けているのです。

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