韓英洙

韓英洙の生涯と政治経歴

韓英洙（ハン・ヨンス、1934年10月15日 - 2009年6月9日）は、大韓民国の著名な政治家で、数回にわたり国会議員を務めました。本貫は清州韓氏で、忠清南道の瑞山郡に生まれました。一貫して政治に関わり、そのキャリアは多くの注目を集めました。

学歴と政界進出

韓は泰安中学校を卒業し、仁川高等学校を経て高麗大学校の政治外交学科を修了しました。その後、経営大学院も卒業しています。1960年、彼は25歳で政界に足を踏み入れました。初めは民政党、新韓党、新民党などに所属しながら、瑞山地区の党委員長や韓国政策研究会の理事として活躍しました。

1973年の第9代総選挙では無所属で立候補し、当選を果たしました。その後、新民党のスポークスパーソンに任命され、1979年の第10代総選挙にも公認候補として当選します。解散後は国家保衛立法会議議員として選出され、重要な委員会で活動しました。

政治経歴の転機

その後、民韓党の政策委員長や自民連の副総裁、国会の国防委員長など、数多くのポジションを歴任しました。多彩な経歴を持ちながらも、彼の政治生活は決して順風満帆ではありませんでした。1982年、彼は議員としての地位を持ちながら姦通容疑で拘束され、議員職を辞退します。検察から懲役2年を求刑されますが、最終的には1年の懲役が言い渡され、服役を経て満期出所しました。

この事件は、全斗煥政権への批判が背景にあるとされています。彼の弁護を担当した弁護士は、捜査機関が韓のアメリカ訪問中に恋人との通話を盗聴したとの証言を残しています。こうしたスキャンダルが、彼の政治家としてのキャリアに影を落とす結果となりました。

政界の渡り鳥

韓英洙は、40年間にわたる政治活動の中で、民政党、新韓党、新民党、民韓党、第3世界党、平民党、民主党、新韓国党、統一国民党、新民党、自民連と、10度も党籍を変えました。このことから、彼は「政界の渡り鳥」や「始祖鳥」とも称されました。生前、彼は自身の政治的経歴を振り返り、「考えてみると、私には政治自体がなかったようだ」と政治活動への悔いを語っています。

最後の数年間

2009年、韓英洙は老衰により75歳でこの世を去りました。彼の波乱に満ちた政治家人生は、大韓民国の政治史において重要な一章を刻んでいます。彼の生涯は、多くの困難や試練とともに、政治の世界での人間ドラマを映し出すものであり、彼の存在は今なお語り継がれています。

もう一度検索