音節

音節とは

音節（おんせつ）またはシラブル（英: syllable）は、言葉の中で連続する音を区切る基本的な単位です。音節は一般に母音を中心に成り立っており、その周囲には1つまたは複数の子音が存在します。

音節の基本的な構造

音節の典型的な構成は、次のような4つの形態に分類されます。
1. 母音 (V)
2. 子音＋母音 (CV)
3. 母音＋子音 (VC)
4. 子音＋母音＋子音 (CVC)

母音は音節の中心となる部分で、それを音節核（おんせつかく、英: nucleus）といいます。前にある子音は頭子音（英: onset）と呼ばれます。音節ごとに主音となる母音のみが存在し、複数存在することはありません。音節の分類には、母音で終わる開音節（英: open syllable）と、子音で終わる閉音節（英: closed syllable）があり、閉音節の末尾にある子音は末尾子音（英: coda）と呼ばれます。

さまざまな音節の種類

ある言語では、長母音や二重母音の音節が他の音節よりも長く発音されることがあります。これには、重音節（英: heavy syllable）と軽音節（英: light syllable）が存在し、アクセントのルールに影響を与えます。

音節には、複数の子音が連続する子音群（英: consonant cluster）も含まれ、音節が CCCVC や VCC のように複雑になることがあります。特に英語ではさまざまな音節が存在し、音節の発音において特有のルールが形成されています。

日本語と音節

日本語においては、ほとんどの音節が開音節で構成されており、音の組み合わせの基本は「子音＋母音」です。しかし、特定の閉音節の形も存在し、「ん」と「っ」に終わる音節だけがこのカテゴリに入ります。長音や促音、撥音も重要な役割を果たします。

音韻とモーラ

日本語ではモーラが音節よりも重要な単位となります。例えば、詩や歌のリズムを数える際には、モーラが用いられることが多いです。

音の発音においては、無声化して聞こえない母音がしばしば現れ、新たな音節が構成されることがあります。例えば、「です」という言葉は発音されるときに「デス」と聞こえることがありますが、この際もモーラの数には変化がありません。

音節の声調

中国語やベトナム語のような声調言語においては、音節の発声に声調が加わり、言語の発音において際立った役割を果たします。声調は曲線声調と段位声調の二つに大別され、音節ごとの音の高低変化に影響を与えます。

綴り字と発音

言語によっては、綴り字と実際の音の対応が異なる場合があります。たとえば、英語では無音の「e」が最後に付くことで、前の母音が長母音または二重母音として発音されることがあります。

音節文字

音節をそのまま表現する文字、いわゆる音節文字としては、日本語の仮名が特に有名です。他にも、民族によって独自に発展した文字体系が存在しますが、実用的には音節文字は日本語独特の特徴と言えます。

音節は言語の中心的な要素であり、言葉を理解する上での重要な基盤となっています。そのため、音節の研究は言語学において非常に重要なテーマとなっています。

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