須卜氏

須卜氏・須卜部（しゅうほく し／しゅうほく ぶ）

須卜氏は、匈奴における貴族の氏族の一つです。歴代の単于（匈奴の君主号）を輩出した屠各種攣鞮氏（しょかしゅるあんていし）と婚姻関係を結び、匈奴社会において重要な地位を占めていました。

歴史

須卜氏は、前漢初期の冒頓単于（ぼくとつぜんう）の時代に、呼延氏（こえんし）・蘭氏（らんし）といった他の氏族とともに、匈奴の新興貴族として台頭し、勢力を拡大しました。匈奴の政治や軍事において重要な役割を果たし、その影響力は大きかったと考えられています。

後漢時代になると、須卜氏は丘林氏（きゅうりんし）とともに南匈奴の「四大貴族」と呼ばれるようになります。南匈奴は、後漢に服属した匈奴の一部であり、須卜氏はその中でも特に有力な氏族として知られていました。

須卜氏からは、須卜単于（しゅうほくぜんう）や須卜骨都侯単于（しゅうほくこつとこうぜんう）といった単于も輩出されています。これらの単于は、南匈奴の統治において重要な役割を果たし、須卜氏の名声を高めました。

その後、時代が下り、鮮卑（せんぴ）の拓跋部（たくばつぶ）が北魏（ほくぎ）を建国すると、須卜氏は北魏に仕えることになります。北魏の孝文帝（こうぶんてい）は、漢化政策を推進し、胡人の姓を漢姓に改める政策を実施しました。この政策により、須卜氏は卜氏（ぼくし）と称するようになります。

須卜氏は、匈奴の時代から北魏の時代に至るまで、様々な歴史的変遷を経て、その名を歴史に刻みました。

関連項目

須卜単于
須卜骨都侯単于

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