須磨久善

須磨 久善: 心臓血管外科医の軌跡

須磨久善（すま ひさよし、1950年3月1日生まれ）は、日本の心臓血管外科医であり、その分野で顕著な業績を残してきた人物です。彼の専門は心臓血管外科と循環器内科であり、数多くの医療機関で重要な役割を担っています。

生い立ちと教育背景

兵庫県で生まれた須磨氏は、甲南中学校・高等学校を卒業後、大阪医科大学に進学します。在学中に海外の医学雑誌で心臓バイパス手術の映像を目にし、心臓外科の道を志すことになります。1974年に同大学を卒業後、東京の虎の門病院で外科レジデントとしてキャリアをスタートさせ、その後、順天堂大学胸部外科や大阪医科大学で経験を積んでいきます。

医療界への貢献

1986年、須磨氏は世界初の胃大網動脈をグラフトとして使用した冠動脈バイパス手術を成功に導きます。この技術革新は、彼の名を広めるきっかけとなりました。1989年には三井記念病院に招かれ、循環器外科科長に就任し、1992年には心臓血管外科部長を務めることになります。

須磨氏は日本初のバチスタ手術を行い、さらには改良型バチスタ手術やSAVE手術を考案しました。これらの手術は心筋の状態を正確に評価し、患者の生存率を大幅に向上させることに成功しました。また、2004年からは順天堂大学心臓外科客員教授を務め、多くの後進を指導しています。

現在の活動

2021年5月、須磨氏は品川区の上大崎にmedock総合健診クリニックを開設し、院長として多岐にわたる健康診断などの業務を行っています。このクリニックでは、心血管疾患予防のための検診や治療が提供されており、患者に高い評価を受けています。

受賞歴とメディア出演

須磨久善は、2022年には国際冠動脈外科学会から生涯功労賞を受賞。また、2024年には心臓外科における革新を称えられ、国際低侵襲胸部心臓外科学会にて名誉ある称号を得ることになりました。

その功績や業績は、数多くのメディアでも取り上げられています。2001年のNHKの『プロジェクトX』や、2006年の『医者がすすめる専門医』、さらには自身の半生を描いたテレビドラマ『外科医 須磨久善』では、俳優の水谷豊が須磨役を演じ話題になりました。

著書

須磨氏はまた、著作活動も行っており、主な著書には『タッチ・ユア・ハート』（講談社、2012年）、『医者になりたい君へ 心臓外科医が伝える命の仕事』（河出書房新社、2014年）があります。これらの書籍では、心臓外科医としての経験や思いを広く伝えています。

須磨久善は、医療界における数々の業績や革新を通じて、多くの患者の命を救ってきました。今後も彼の活動が多くの人々に影響を与えることを期待しています。

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