須磨未千秋

須磨未千秋（すま みちあき）

須磨未千秋は、1918年1月25日に生まれ、2008年8月21日に生涯を閉じた日本の外交官です。彼は、外務省において経済局次長、そして駐タンザニア、香港、マレーシア、カナダの特命全権大使といった重要な役職を歴任し、日本の外交に大きく貢献しました。

人物・経歴

秋田県出身の須磨は、1939年に第一高等学校文科甲類を卒業後、東京帝国大学法学部政治学科に進学しました。1941年には高等試験外交科本試験に合格し、同年大学を卒業して外務省に入省しました。

外交官としてのキャリアは、終戦連絡中央事務局連絡官、在ビルマ日本国大使館一等書記官などを経て、1957年に外務省アジア局第三課長に就任したことから本格的に始まりました。その後、1958年には外務省経済局米州課長、1960年には外務省経済局米国カナダ課長と、経済分野での要職を歴任しました。

1961年には在ニューヨーク日本国総領事館領事、1964年には在オランダ日本国大使館参事官として海外での勤務を経験しました。1966年には外務省経済局外務参事官、1967年には外務省経済局次長に就任し、経済外交における中心的な役割を果たしました。1969年には外務大臣官房審議官を経て、駐タンザニア特命全権大使に任命され、大使としてのキャリアをスタートさせました。その後、1972年には在香港日本国総領事館総領事、1974年には駐マレイシア特命全権大使、1978年には駐カナダ特命全権大使を歴任し、各国の日本との友好関係の促進に尽力しました。

退官後は、日本信販（現：三菱UFJニコス）顧問、取締役、相談役、河合塾顧問、ジェット・エア・サービス取締役など、多岐にわたる分野で活躍しました。1988年には、その功績が認められ、勲二等旭日重光章を受章しました。

須磨はまた、文化的な貢献も行っています。父である須磨弥吉郎が収集した中国書画のコレクションを京都国立博物館に寄贈し、長崎県美術館にはスペインで収集された美術コレクションを寄贈しました。これらの寄贈は、文化の振興に大きく貢献するものとして高く評価され、2001年には紺綬褒章並びに賞杯を受章しました。

2008年8月21日、須磨未千秋は肺炎のため逝去しました。その功績を讃えられ、叙従三位が贈られました。

親族

父は外交官の須磨弥吉郎です。

著書

『裸の大使』経済新潮社 1969年
『燃えるアフリカ』経済新潮社 1972年
『赤い楓の国から : 大使の手記』創元社 1982年

編集

『須磨弥吉郎外交秘録』創元社 1988年

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