摩耶駅

摩耶駅：歴史と進化を遂げた神戸の駅

摩耶駅は、兵庫県神戸市灘区灘南通五丁目に位置する、西日本旅客鉄道（JR西日本）東海道本線（JR神戸線）の駅です。駅番号はJR-A59。

摩耶駅の歩み：貨物駅からの変貌

摩耶駅の歴史は古く、1904年には官設鉄道の灘信号所として開設されました。その後、神戸港駅への貨物支線が開通したことで灘聯絡所へと改称され、1910年には灘駅として開業。1917年には現在の灘駅の開業に伴い、東灘駅と改称されました。

長らく貨物駅として機能してきた東灘駅でしたが、1972年に貨物の取り扱いが廃止され、東灘操車場となりました。更に1981年には東灘信号場へと縮小されました。この間、神戸港駅への貨物支線（神戸臨港線）が分岐しており、神戸製鋼所神戸製鉄所岩屋地区への専用線も存在していました。

2003年の神戸貨物ターミナル駅開業により神戸臨港線が廃止されると、東灘信号場は旅客列車の待避などに利用されるようになりました。長大貨物列車の待避を想定し、1キロメートルにも及ぶ待避線が設置されていたこともありました。

旅客駅への転身：40億円を投じた整備

2010年、JR西日本は六甲道駅と灘駅間に新駅を設置する計画を発表。仮称「まや駅」として計画が進められ、2015年に正式名称が「摩耶駅」に決定されました。駅名は、摩耶山、摩耶埠頭など近隣施設との親しみやすさを考慮したものです。

約40億円もの建設費をJR西日本が全額負担し、2016年3月26日、東灘信号場を旅客駅に格上げする形で摩耶駅が開業しました。島式ホーム1面2線の地上駅で、橋上駅舎を備えています。環境にも配慮し、回生電力の駅電力への活用や太陽光発電システムも導入されました。また、ダイヤ乱れ時の運転整理を円滑に行うため、神戸方に上り線から下り線への渡り線が設置されました。

駅構造と周辺環境

摩耶駅は、内側線（緩行線）の上下線間にホームを持つ地上駅で、橋上駅舎が特徴です。外側線（列車線）にはホームはありませんが、待避線が設置されています。ICOCAなどの交通系ICカードも利用可能です。開業当初からみどりの窓口はありませんが、みどりの券売機プラスが設置されています。

駅周辺には、JR摩耶駅NKビル、吉田アーデント病院、スーパー、コンビニエンスストア、商店街、そして阪急電鉄王子公園駅、阪神電鉄西灘駅などがあります。北側には神戸保線区の資機材置場も併設されています。バス路線も充実しており、周辺地域へのアクセスも良好です。

ダイヤと利用状況

普通列車は1時間に8本発着し、朝夕は本数が増加します。2022年度の1日平均乗車人員は6,251人です。

まとめ

摩耶駅は、貨物駅として始まり、信号場を経て、最新の設備を備えた環境に配慮した旅客駅へと進化を遂げました。その歴史と、周辺環境との調和、そして利便性の高さから、神戸の地域社会に貢献する重要な駅となっています。

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