須藤功

須藤功について

須藤功（すとう いさお）は、1955年10月生まれの日本の経済学者です。専門は西洋史、財政学、金融論、経済史と多岐に渡りますが、特にアメリカ経済史の研究で高い評価を得ています。

学歴と職歴

須藤氏は、1982年に横浜国立大学大学院経済学研究科修士課程を修了。その後、名古屋大学大学院経済学研究科博士課程に進み、1985年に単位取得満期退学しました。同年、名古屋大学経済学部助手となり、研究者としてのキャリアをスタートさせました。

その後、名古屋工業大学工学部専任講師、助教授を経て、1996年には名古屋市立大学人文社会学部助教授に就任。1998年には、名古屋大学から経済学博士号を授与されました。博士論文のタイトルは「アメリカ巨大企業体制の成立と銀行：連邦準備制度の成立と展開」です。

2003年からは、明治大学政治経済学部の教授として教鞭を執り、現在に至ります。また、研究活動の一環として、ヴァージニア大学やニュー・サウス・ウェールズ大学で客員研究員を務めた経験も持っています。

受賞歴

須藤氏の研究業績は、数々の賞によっても評価されています。1997年には、著書『アメリカ巨大企業体制の成立と銀行』(名古屋大学出版会)でアメリカ学会・清水博賞を受賞。2009年には、『戦後アメリカ通貨金融政策の形成』(名古屋大学出版会)で連合駿台会学術賞を受賞しました。

主な著書

須藤氏の主な著書には、以下のものがあります。

「合衆国貨幣市場の国際的位置と連邦準備制度の成立」（1987年）
「現代アメリカ合衆国」（1993年）
「世界大不況と国際連盟」（1994年）
「ニューディール期アメリカにおける銀行の組織化」（1996年）
「アメリカ巨大企業体制の成立と銀行―連邦準備制度の成立と展開」（1997年）
「戦後アメリカの対外通貨金融政策と欧州決済同盟の創設」（1998年）
「新訂増補 アメリカを知る事典」（2000年）
「アメリカ経済史の新潮流」（2003年）
「大恐慌とアメリカの金融規制―規制型資本主義と銀行」（2003年）
「アメリカにおける地域社会と銀行―ニューディールから現代へ」（2005年）
「金融グローバリゼーションの前と後―アメリカの銀行はどう変わったか？」（2006年）
「アメリカ新自由主義の系譜―ニューディール金融政策と初期シカゴ学派」（2006年）
「1930年代」（2007年）
「戦後アメリカ通貨金融政策の形成―ニューディールから「アコード」へ」（2008年）
* 「アメリカ経済経営史事典」（監訳、2008年）

これらの著書を通して、須藤氏はアメリカ経済史における重要なテーマを深く掘り下げ、その知見を広く社会に提供しています。特に、アメリカの金融システムや政策に関する研究は、学術界だけでなく、実務の世界においても大きな影響を与えています。

須藤功氏は、その長年の研究活動を通じて、アメリカ経済史研究の第一人者として、国内外から高い評価を受けています。彼の研究は、現代の経済問題を理解する上で重要な視点を提供し続けています。

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