須藤祐孝

須藤祐孝（すとう ゆうこう）は、1939年5月28日に宮城県柴田郡で生まれ、2018年7月27日に生涯を閉じた日本の政治学者です。専門はイタリア政治思想であり、愛知大学の名誉教授を務めました。

生涯と学歴

宮城県仙台第一高等学校を経て東北大学法学部に進学し、同大学大学院で法学修士号を取得しました。その後、愛知大学法学部で長年にわたり教鞭を執り、「ヨーロッパ政治思想史」などの科目を担当しました。2010年3月に愛知大学を定年退職し、名誉教授の称号を得ました。

所属学会

須藤は以下の学会に所属し、研究活動を行っていました。

日本政治学会
イタリア学会
イタリア近現代史研究会

受賞・栄典

長年の研究活動が評価され、以下の賞を受賞しています。

1973年：松永記念財団学術奨励賞
1999年：ピーコ・デッラ・ミランドラ賞

研究内容

須藤の専門はイタリアの政治思想史であり、特にルネサンス期の思想家であるジロラモ・サヴォナローラとニッコロ・マキャヴェッリの研究で知られています。これらの人物の思想を深く掘り下げ、その歴史的意義を明らかにしました。また、ガエターノ・モスカを中心とする「寡頭制の鉄則」の研究も行っており、幅広い視野で政治思想史を研究していました。

無限社

須藤は「無限社・岡崎」という出版社を運営していました。これは、須藤の自宅を所在地とする、いわゆる「ひとり出版社」であり、書籍の流通も自身で行っていました。取次を経由せず、直接郵送するという形式をとっていたため、著作者、編集者、出版社、書店という役割を一人で兼ねていたことになります。

人物像

学生時代に大原富枝の小説『婉という女』に感銘を受け、大原の作品を全て読破しました。生前には大原と交流を持ち、大原から「現代には珍しく、夢を生きることの出来る学者」と評されました。大原の全記録集の作成にも尽力しましたが、大原の逝去により、刊行には至りませんでした。

著作

須藤は多くの著作を出版しており、その一部を以下に紹介します。

共著

『読む年表・年譜 ルネサンス・フィレンツェ、イタリア、ヨーロッパ - サヴォナローラ、マキャヴェッリの時代、生涯 - 』油木兵衛共著、無限社・岡崎 2002

訳書

『若きマキァヴェッリの政治思想：その生成と展開』ジェンナーロ・サッソ著、油木兵衛と共訳、創文社 1983
『ルネサンス・イタリアの〈国家〉・国家観』フェデリーコ・シャボー著、無限社・岡崎 1993
『忘恩、運命、野心、好機』ニッコロ・マキャヴェッリ著、限社・岡崎 1997
『ルネサンス・フィレンツェ統治論：説教と論文』ジロラモ・サヴォナローラ著、無限社・岡崎 1998
『マキァヴェッリの生涯』ロベルト・リドルフィ著、岩波書店 2009
『〈出家〉をめぐる詩と手紙：ルネサンス・イタリアにおける〈政治的〉修道士の胎動』ジロラモ・サヴォナローラ著、無限社・岡崎 2010

外部リンク

* researchmap - 須藤 祐孝

脚注

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