頌子内親王

頌子内親王の生涯と業績

頌子内親王（しょうしないしんのう、1145年 - 1208年）は、平安時代末期から鎌倉時代初期に活躍した皇女であり、賀茂斎院の女官として知られています。彼女は鳥羽天皇の第7皇女で、母親は美福門院仕えの女房である春日局（徳大寺実能の娘）です。崇徳院や後白河院、近衛天皇は異母兄に当たります。また、彼女は春日姫宮や五辻斎院とも称されます。

幼少期と経歴の始まり

頌子内親王は、鳥羽天皇と母・春日局の間に生まれ、京都一条北辺の五辻宮で育ちました。彼女の生涯は、特に宗教的および文化的な側面で活発であり、平安から鎌倉にかけての社会情勢にも深く関わっています。彼女は承安元年（1171年）、病気療養をしていた姉の変わりに高倉天皇の賀茂斎院に卜定されましたが、同年の夏に病を理由に退下しました。

その後、彼女は父・鳥羽院の追善供養として、母と共に西行を奉行に立てて高野山に蓮華乗院を創建しました。この院は鳥羽院のための供養所として重要な役割を果たしました。

蓮華乗院の創建と寄進

頌子内親王の蓮華乗院の創建にあたっては、彼女が祖父の家人であった歌人西行との深い関わりも関係しています。西行は高野山に住んでおり、院の造営に際して勧進を行いました。頌子は蓮華乗院の維持のため、紀伊国の南部庄から水田を寄進し、967万の売上を院の運営に使いました。

治承元年（1177年）には、早くも蓮華乗院が移築され、談義所として利用されるようになり、ここでの活動は高野山の宗教的地位の向上にも寄与しました。頌子はその後も南部庄からの収入を利用し、院の維持や僧侶たちへの供養を行い、実質的な後援を続けました。建久5年（1194年）には、全体で約200町におよぶ南部庄を、隣接の相楽庄30町とともに蓮華乗院に寄進することを決定しました。

まとめ

頌子内親王の生涯は、彼女が平安時代から鎌倉時代にかけての文化や宗教に与えた影響の象徴の一つとして記憶されています。彼女の行った寄進や院の創建は、当時の人々に深く根付いた信仰の拠り所となり、後の世代にも受け継がれました。彼女の名は、今なお高野山を訪れる人々や歴史愛好家にとって重要な人物として記憶されています。

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