頭捻り

頭捻り（ずぶねり）は、相撲における珍しい決まり手の一つです。この技は、力士が相手の胸に頭を密着させ、相手の差し手または肘を掴み、その頭を軸として相手の体を捻り倒すことで成立します。

非常に珍しい決まり手であり、近年では特に見ることが少なくなっています。平成以降の幕内では、1998年3月場所5日目に旭豊が寺尾に勝利した一番以来、長い間記録されていませんでした。しかし、2023年5月場所12日目に宇良が翔猿に対しこの技を決め、約25年ぶりに幕内での決まり手として再び注目を集めました。さらに、この場所の3日前、9日目には幕下の宮城が出羽ノ龍を頭捻りで破っています。

十両においては、2020年11月場所で翠富士が常幸龍に対してこの技を成功させています。この記録は、十両での頭捻りとしては当時24年ぶりのものでした。

宇良や翠富士の他に、弓取り式でも知られる聡ノ富士もこの技を得意としており、一場所で2度も決めたことがあります。引退した力士では、照強が関取になる前の幕下時代、2013年7月場所にこの技で勝利を収めています。幕下以下の力士では、蘇や古市などが頭捻りを得意としていました。

頭捻りは、その希少性と決まった時の意外性から、相撲ファンにとっても印象深い決まり手の一つと言えるでしょう。

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