額田長

額田長の生涯

額田長（ぬかた ひさし、1900年 - 1984年）は、日本における剣道と居合道の名手として広く知られています。彼は香川県高松市に生まれ、剣道の道に進むきっかけは学生時代の体育祭での活躍でした。この頃、剣道部の師範であった植田平太郎の指導を受け、彼の才能が開花していきました。

学生時代の活躍

1914年、額田は県立高松中学校に入学します。在学中に行われた剣道の大会で次々と対戦相手を打ち破り、一躍注目を浴びました。しかし、東京高等商業学校（現・一橋大学）への進学を目指した受験では失敗。在京中に高野佐三郎の道場である明信館と出会い、剣道の技術を深めるためにそこに入門しました。

その後、1919年に早稲田大学政治経済学部に進学し、在学中は剣道部の主将として活躍します。この頃には四段の段位を取得し、彼の剣道に対する情熱がますます高まっていきました。

兵役とその後の職業

大学を卒業した1924年、額田は兵役に服し、1926年には南海鉄道株式会社に入社します。宣伝課長や軌道現業課長としてキャリアを積む一方、剣道や居合道の修練も続けます。特に1928年には大日本武徳会から剣道精錬証を受け、東京の三菱道場で夢想神伝流居合を学ぶなど、技術の研鑽に励みました。

1941年、額田は陸軍に召集され、満州へ従軍します。終戦後は46歳で南海鉄道を退職し、剣道や居合道の普及活動にシフトしていきます。

剣道と居合道の指導

1950年、額田は全日本撓競技連盟の理事に任命され、剣道界への貢献が続きます。同年には光美術工芸社を設立し、商業活動も展開しました。1962年には全日本剣道連盟から剣道八段に昇段し、以降南海電鉄剣道部で指導を行い、さらに後に南海電鉄居合道部も発足させました。

1967年には居合道研究委員に就任し、居合道においても確実に地位を築いていきます。その後、居合道範士として昇進し、また夢想神伝重信流の技術に力を入れ、晩年まで研鑽を重ねました。

最後の日々と遺産

額田は1982年に著書『林崎抜刀術兵法 夢想神傳重信流 傳書及び業手付解説』を出版し、多くの剣道・居合道の愛好者に影響を与えました。1984年、彼は84歳でこの世を去りましたが、彼の技術と教えは後世に受け継がれています。彼の生涯は、日本の武道界において重要な位置を占めており、その業績はいまだ多くの人々に感銘を与え続けています。

もう一度検索