風が呼んでる旋風児

風が呼んでる旋風児

『風が呼んでる旋風児』（かぜがよんでるマイトガイ）は、1963年8月31日に封切られた日本映画です。日活が製作し、野口博志が監督を務めました。主演は小林旭で、彼の代表的なシリーズである「マイトガイ」シリーズの最後を飾る作品として知られています。

この物語の中心となるのは、7億円という巨額のダイヤモンドを巡る、国際的な密輸組織と日本の組織との間で繰り広げられる激しい争奪戦です。主要な舞台の一つである銀座では、二つの組織がダイヤモンドの支配権を巡って対立を深めていました。

組織は密輸品のダイヤモンドを巧妙に隠蔽するため、あろうことか非人道的な手段に出ます。組織の一員である子分の体内にダイヤモンドを切開手術で隠匿するという、医師を脅迫して行わせる異常な計画を実行に移します。しかし、警視庁の鋭い捜査網にかかっていたその子分は、間もなく何者かによって殺害されてしまいます。そして、彼の中に隠されたはずのダイヤモンドも忽然と姿を消してしまい、事件はさらに複雑な様相を呈します。

物語は、混沌とした都市・銀座から、異国情緒あふれる香港、そして風光明媚な館山へと舞台を移しながら展開されます。主人公である二階堂卓也を演じるのは、シリーズを通して「マイトガイ」として活躍してきた小林旭です。彼は、この巨大なダイヤモンド密輸事件の真相を追い、組織間の抗争や陰謀に立ち向かっていきます。

本作には、主演の小林旭をはじめ、当時の日活を代表する俳優陣が多数出演しています。ヒロインの花村京子を松原智恵子が演じ、物語に彩りを加えています。また、高品格、清水将夫、梅野泰靖といったベテラン俳優が脇を固め、物語に深みを与えています。

主要キャスト以外にも、多くの俳優が重要な役どころや端役を演じており、作品世界を構築しています。以下に、キャストの一部を記します。

二階堂卓也：小林旭
花村京子：松原智恵子
政吉：高品格
田沼博士：清水将夫
中村捜査課長：梅野泰靖
テレビアナ： 藤村有弘
田沼美津子： 高野由美
宮原看護婦：松尾嘉代
ある病院の医師：河上信夫（河上喜史朗）
平山八郎 ： 山田禅二
村瀬： 雪丘恵介
九龍の鉄 ：河野弘
須田正次郎：深江章喜
佐山 ：長弘
陳玉全 ： 衣笠真寿男
秋田浩介： 里実（大門実）
刑事Ａ：緑川宏
乗客Ａ：二木草之助
署員：小柴隆（小柴尋詩）
警察官Ａ： 白井鋭
警視庁指令室係員： 神山勝
テレビ映画の俳優員：瀬山孝司
空港レストランのコック： 戸波志朗、三杉健
タクシー運転手：二階堂郁夫
刑事Ｂ：村上和也
出入国管理官： 露木譲
須田の配下： 志方稔
救急隊員 ：玉井謙介
競艇場前の煙草屋の女将： 鈴村益代
大森総合病院の看護婦：佐川明子
出入国管理官 ：樽井釉子
田沼医院の看護婦 ：赤川桂子
ある病院の看護婦：橘田良江
アンダーソンの配下： 倉田栄三、岩手征四郎、田畑善彦
刑事 ：小野武雄
記者 ： 平塚仁郎、 浜口竜哉
警官 ：伊藤浩
アンダーソンの手下：立川博
警官：中平哲弥（中平哲仟）
刑事： 大路達三、原田貢
アンダーソンの手下：杉浦公司
スチーブ：ペトロ・H・フェルナンデス
アンダーソン ：フランツ・グルーベル
田沼厚志： 佐藤公明
通訳：中尾実
厨房にいる運搬車の運転手： 藤井昭雄
チェーンの安：赤司健介
アボット〔人間ポンプの芸人〕：園部志朗（園部志郎）

また、クレジットに表記されていないキャストも多数参加しています。

スタッフは、監督の野口博志をはじめ、脚本に織田清司と保坂潔、企画に茂木了輔、音楽に山本直純、そして原作は川内康康が手掛けています。アクションシーンを演出する技斗は高瀬将敏が担当しました。


本作は、小林旭が演じる人気キャラクター「マイトガイ」のシリーズ最終作という位置づけであり、その締めくくりを飾るにふさわしい、スケール感のあるアクションとサスペンスが展開される作品となっています。

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