風害

風害とは

風害（ふうがい）とは、風によって引き起こされる災害全般を指します。具体的には、台風や低気圧による強風、竜巻やダウンバーストなどの突風が主な原因となります。風害は、単に風による被害だけでなく、雨や高潮、塩害など、他の災害と複合的に発生することが多く、その被害は広範囲に及ぶことがあります。

風害の種類と被害

風害による被害は多岐にわたります。

直接的な被害: 強風による屋根瓦の飛散、建物の倒壊、樹木の倒壊、飛来物による損害などが発生します。特に、文化財などの歴史的建造物が被害を受けることもあり、その影響は大きいです。
インフラへの被害: 電柱の倒壊や電線の切断によって、電力や通信インフラが麻痺することがあります。また、強風により、航空機や鉄道などの交通機関が運休になることもあります。
農作物への被害: 台風が収穫期と重なる場合、リンゴやナシなどの果樹が落下したり、稲穂が倒伏したりするなど、農作物に甚大な被害をもたらすことがあります。
複合的な被害: 台風や低気圧による気圧の低下に伴う高潮に加え、強風によって堤防が決壊したり、船舶が座礁・転覆したりすることがあります。また、強風によって海水が巻き上げられ、塩害を引き起こすこともあります。

局地的な風害

竜巻やダウンバーストによる風害は、局地的かつ甚大な被害をもたらします。建物の倒壊だけでなく、航空機の離着陸時の事故を引き起こす可能性もあります。

近年では、高層ビルによって風の流れが変わり、ビル風が発生することが問題となっています。ビル風は、歩行を困難にするだけでなく、物を飛ばすなど、日常生活に悪影響を及ぼすことがあります。

風害に関連する災害

風害は、他の災害を誘発することがあります。

高潮: 強風によって海水が押し寄せ、沿岸部で浸水被害を引き起こします。高潮は農作物に被害をもたらすだけでなく、電線路に海水が付着し、漏電による停電を引き起こすことがあります。
塩害: 風に乗って海水が飛散し、農作物や建造物に被害を与えることがあります。特に、冬の日本海側では、「波の花」と呼ばれる現象が塩害の原因となることがあります。

主な風害の事例

過去には、以下のような大規模な風害が発生しています。

1959年 伊勢湾台風: 死者・不明者5098名、最大風速75m/sを記録した、甚大な被害をもたらした台風です。
1991年 台風19号: 青森県で、収穫前のリンゴの約80%が落下する被害が発生しました。死者・不明者は86名、最大風速は50m/sでした。
2004年 台風23号: 日本各地で、強風による高波での浸水や船舶の座礁・転覆が相次ぎました。死者・不明者は94名、最大風速は45m/sでした。
2005年 台風14号: 青森県でリンゴの落果被害が1730トンに達し、被害総額は2億5834万円に上りました。死者は26名、最大風速は50m/sでした。
2005年 ハリケーン・カトリーナ: アメリカ南東部で、多数の死者と甚大な被害を出しました。最大風速は78m/sでした。
2018年 台風21号: 近畿地方を中心に記録的な暴風を記録し、関西国際空港が高潮によって浸水、連絡橋が損傷しました。

風害への対策

風害による被害を軽減するためには、以下のような対策が考えられます。

建物の耐風性強化: 建物の耐風性能を高めることで、強風による被害を最小限に抑えることができます。
インフラの整備: 電柱や電線を地下に埋設するなど、インフラの耐風性を高めることが重要です。
防災情報の活用: 台風や竜巻などの情報を収集し、早期避難を心がけることが大切です。
農作物の保護: 防風林の設置や、作物の種類を工夫することで、被害を軽減することができます。

まとめ

風害は、私たちの生活に大きな影響を与える災害です。過去の事例から、風害の脅威を認識し、適切な対策を講じることが重要です。



関連情報
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外部リンク
マンション建設による風害と不動産価格下落算定について

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