風戸健二

風戸健二（かざと けんじ、1917年7月 - 2012年6月26日）は、日本の技術者、実業家であり、電子顕微鏡の開発と普及に大きく貢献し、日本電子株式会社を設立したことで知られています。彼の次男は、レーシングドライバーとして活躍した風戸裕です。

風戸健二は千葉県長生郡茂原町（現在の茂原市）に生まれました。1938年に海軍機関学校を卒業後、1944年11月からは海軍技術研究所電波研究部に勤務し、秘密兵器である奮龍の開発などに携わりました。海軍在職中に、黒岩大助の著書『電子顕微鏡』を読んだことがきっかけで、電子顕微鏡に強い興味を持つようになりました。

太平洋戦争終戦後、風戸健二は電子顕微鏡の開発研究に本格的に着手します。1949年には、日本電子光学研究所（1961年に日本電子株式会社に改称）を設立し、社長に就任しました。彼のリーダーシップのもと、日本電子は電子顕微鏡の分野で世界的な企業へと成長を遂げました。1968年には、日本電子顕微鏡学会会長を務め、日本の電子顕微鏡技術の発展に貢献しました。

1971年2月、科学技術の発展に対する貢献が認められ、紫綬褒章を受章しました。これは、彼の業績が社会的に高く評価されたことを示すものです。

風戸健二の没後、2016年には、日本電子の伊藤一夫とともに、アメリカ合衆国のChemical Heritage FoundationによるPittcon Heritage Awardを受賞しました。これは、分析機器・科学機器の分野における先駆的な業績を称える賞であり、風戸健二の電子顕微鏡開発における貢献が国際的にも認められたことを意味します。

風戸健二は、電子顕微鏡という最先端技術の開発と普及に生涯を捧げ、日本の科学技術の発展に大きく貢献しました。彼の功績は、現在も日本電子株式会社を通じて受け継がれ、世界の科学研究に貢献し続けています。

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