風雪の群像・北方文化研究施設爆破事件

風雪の群像・北方文化研究施設爆破事件

風雪の群像・北方文化研究施設爆破事件は、1972年10月23日に発生した爆弾テロ事件です。この事件は、後に東アジア反日武装戦線と名乗るグループによって引き起こされました。

事件の背景

事件当時、北海道旭川市の常磐公園には、北海道百年記念事業として本郷新と本田明二が製作したブロンズ像「風雪の群像」が設置されていました。また、北海道大学にはアイヌ文化研究施設である「北方文化研究施設」がありました。

東アジア反日武装戦線は、これらの施設を日本帝国主義による「アイヌモシリ侵略」の象徴とみなしました。特に、北海道出身の大道寺将司はアイヌ問題に強い関心を持っており、このことが事件の動機の一つとなりました。

決行日として10月23日が選ばれたのは、この日がシャクシャインの戦いを起こしたアイヌ民族の首長シャクシャインが松前藩によって殺害された日であったためです。

事件の概要

1972年10月23日、東アジア反日武装戦線のメンバーは二手に分かれて北海道に到着し、それぞれの標的へと向かいました。彼らは午後11時半に爆発するよう爆弾を設置しました。

二つの爆弾は予定通りに爆発し、「風雪の群像」は大破しました。一方、「北方文化研究施設」は爆発したものの、比較的軽微な被害で済みました。

「風雪の群像」は1977年に修復され、現在に至っています。

事件の影響とその後

この事件は、東アジア反日武装戦線の活動が社会的に注目されるきっかけとなりました。また、アイヌ民族の歴史や文化に対する関心を高める一因ともなりました。

大道寺将司をはじめとする東アジア反日武装戦線のメンバーは、その後も様々な事件に関与し、逮捕されることになります。

参考文献

松下竜一『狼煙を見よ 東アジア反日武装戦線“狼”部隊』
（読売新聞社・戦後ニッポンを読む、1997年） ISBN 4-643-97116-9
（河出書房新社・松下竜一その仕事22、2000年） ISBN 4-309-62072-8

関連項目

日本の新左翼
東アジア反日武装戦線
北海道庁爆破事件
白老町長襲撃事件
アイヌ
* シャクシャイン

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