飛落元吉

飛落元吉の生涯と彼の役割

飛落元吉（とびおち もとよし）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した日本の武士で、毛利氏の家臣でした。彼は主に鉄砲隊を率いる鉄砲中間として知られ、通称は七郎右衛門であり、戦場での彼の功績は後世に語り継がれています。

若き日の飛落元吉

元吉は毛利氏の直属の中間として、飛落家に生まれました。彼は同じく毛利の鉄砲隊に身を置き、先祖代々の名跡を受け継いでいました。かつては「飛落小次郎」という名で知られていた宇多田藤右衛門は、元吉の親類と考えられています。このように、家族間のつながりは彼の軍事活動にも深く関与していました。

白鹿城の降伏と野白山の戦い

永禄6年、毛利元就が白鹿城の降伏を受け、月山富田城を攻撃するために新たな拠点を築くなかで、元吉は大きな役割を果たしました。尼子氏方が野白山に数百人の郷民を立て籠もらせ、毛利軍に対して攻撃を仕掛けてきた際、元就は彼に鉄砲200挺を与え、元吉を出陣させました。彼は後詰の軍と共に尼子方の郷民を討ち取り、毛利の勢力を強化しました。

兵糧輸送の阻止

その後、尼子義久の本拠地である月山富田城は兵糧と武器の不足に直面します。毛利水軍が牽制役を務め、元吉とその鉄砲隊は陸上での警戒に従事しました。こうした状況下で、尼子義久が兵糧を輸送するために部隊を派遣すると、元吉はこれを察知し、福原貞俊と共に激しい戦闘を繰り広げました。

月山富田城の攻撃

永禄8年には、毛利元就が三軍に分けて月山富田城への総攻撃を開始しました。元吉は渡利元政と共に200人の鉄砲隊を指揮し、城の攻撃に参加しました。この戦役は、毛利氏の領土を拡大する重要な一歩となりました。

給地とその後の活躍

後年、元吉は「飛落七郎右衛門」として知られ、彼の名は安芸国と備後国での給地に記されています。彼とその家族は、毛利氏からの恩恵を受け、各地に給地を与えられ、それが彼の家の発展に寄与しました。

文禄の役での戦死

文禄の役では、元吉は毛利軍に参加し、朝鮮半島に上陸し、数々の戦闘に従事しました。彼は星山の渡河地点で、数多くの敵に包囲され、戦死する運命に遭いました。その死に際しても、彼の勇敢さと家族の名誉は失われることはありませんでした。

彼の生涯は、戦国時代の混乱の中での武士としての名誉や、家族、及び自らの家の安寧を求め戦う姿勢を象徴しています。その活動や戦績は、毛利氏にとっても重要な要素となり、歴史に名を刻むこととなりました。

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