飛行教導群

飛行教導群（Tactical Fighter Training Group）

飛行教導群は、航空自衛隊における仮想敵機を担当する部隊であり、主にパイロットの技量向上を目的としています。この部隊は、戦闘機パイロットの中でも特に優れた技術を有する者が選抜され、その能力をもって他の戦闘機部隊に対して指導を行っています。

概要

1981年8月1日、飛行教導隊準備隊が築城基地に設立され、冷戦時代の東側国の戦闘機に似た特性を持つT-2高等練習機が初期の訓練機として選ばれました。そしてその年の12月には、T-2とT-33を用いて飛行教導群が編成され、活動を開始しました。この群は後に1983年に訓練空域に近い宮崎県の新田原基地に移動し、安定した運用が行われるようになりました。

しかし、1980年代後半にはT-2の事故が多発し、飛行教導隊の安全性が問題視されるようになりました。これに対し、1990年にはF-15J/DJに機種変更され、より安全で能力の高い訓練機に移行することが決定しました。これにより、飛行教導群はアグレッサー機として世界初のF-15配備部隊となりました。

編成

飛行教導群では、パイロットや要撃管制官の入隊が常に求められ、通常はその認識に基づき推薦された者のみが部隊に配属されます。新たに加わった隊員は、高度な操縦技術だけでなく、戦術的思考や他部隊への指導能力も求められます。これは、教導群が他の部隊に対してはっきりとした価値を提供するためです。

要撃管制班は、アグレッサー機の運用において地上からの指揮を担当しており、パイロットと連携を取りながら訓練を進めています。これにより、航空戦術のより一層の深化が図られています。

塗装

初期のT-2機は通常の塗装を施されていましたが、1984年からは視認性を抑えた独自の塗装が採用され、机上での識別も工夫されています。F-15への機種変更後は、その役割をより明確にするために様々なデザインが取り入れられ、特定の模様や色に愛称が付けられました。

歴史

飛行教導群の沿革としては、1981年の結成から始まり、数度の基地移動や機種更新を経て、2014年に「航空戦術教導団」隷下へ改編、さらに2016年には小松基地に移駐しました。また、部隊の重要な役割の一環として、災害派遣にも対応しており、地域貢献に力を注いでいます。

事故

歴史の中でいくつかの重大な事故も経験しています。特に1980年代後半には、T-2の墜落事故が相次ぎ、5名が殉職する事態が発生しました。設計上の問題や過酷な運用条件が影響していたとされます。その後もF-15DJによる訓練中の事故が起き、最近では2022年に行方不明者が発生した際、航空自衛隊は救助活動を展開しましたが、残念ながら両名の殉職が確認されました。

このように、飛行教導群は飛行訓練の重要性を認識しつつ、パイロットの技術向上を図り続けていることが見て取れます。

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