飛鳥神社 (四日市市)

飛鳥神社について

飛鳥神社（あすかじんじゃ）は、三重県四日市市にある歴史ある神社で、特に富田一色地区の氏子神社として知られています。神社の位置は富洲原地区の一部であり、毎年お盆には「富田一色けんか祭」が開催され、多くの人々で賑わいます。この祭りは、地域の自治会によって運営され、地域の文化を色濃く反映した行事となっています。

概要

この神社は、古くから富田一色村の産土神（うぶすながみ）として地元の人々に信仰されてきました。神社の境内は広小路大通りの前に位置しており、その神紋は「上り藤」に一文字のデザインが用いられています。

飛鳥神社の大祭は、毎年8月15日に行われる鎮火祭と、10月13日に行われる秋祭り、通称「がに祭り」があり、多くの信者が集まります。祭神には、八重事代主命、建御名方命、大山祇命、厳島姫命の4柱が祀られています。

歴史

飛鳥神社の創建は824年（弘仁2年）とされ、地域の史料によれば漁師が観音像を網で引き揚げたことからその歴史が始まったと伝わります。富田一色村の人々は、この観音像を信仰し、観浄寺の鎮守として建御名方命を勧請しました。初期には観浄寺の脇に合祀されていましたが、江戸時代には明神社として存在し、1873年（明治6年）には正式に村社となりました。1907年には内務省神社局から特別供進社に指定された他、同年に厳島神社も合祀されました。

社殿

今現在の拝殿は1860年（万延元年）に建立され、流造の本殿は1933年に完成しました。建物は切妻造りで、透塀や海鼠塀、瑞垣が美しく配置されています。1974年には本殿及び祖霊殿の屋根の銅板が葺き替えられ、境内には多度社、幣殿（貨幣殿）、社務所、手水舎等も整備されています。

祭典

飛鳥神社では、例祭が毎年10月13日に行われており、地域恒例の祭りが4回に渡って開催されます。特に有名なのは毎年お盆に行われる「富田一色けんか祭」です。この祭りは地域の人々にとって重要なイベントとなっています。

えん乃樹

境内には特異な形をした二本の木、『えん乃樹』があります。これは夫婦のように合体した形状をしており、夫婦円満や子宝、良縁成就、延命長寿の御利益があるとされています。

がに祭り

「がに祭り」とも呼ばれるこの秋祭りは、毎年10月13日に開催されます。この祭りでは、村人が伊勢湾で捕獲されたワタリガニを神前に奉納する伝統があります。この習慣は、漁の前に蟹を供えることで豊漁を祈願するものです。かつて伊勢湾で漁が困難であったとき、周辺の農村と交換で生活を繋いでいた富田一色では、松原村の漁師からの援助が大いに助けとなりました。この背景が「カニまつはら」と言う名の起源です。

交通

飛鳥神社へは、JR関西本線の富田駅から徒歩約11分、近鉄名古屋線の川越富洲原駅からは徒歩15分の距離です。

飛鳥神社は地域に深く根付いた歴史と文化を持ち、訪れる人々にとっても心を癒す場所となっています。地元の人々との絆も強く、祭りや伝説を通じてその魅力は今も色褪せることなく受け継がれています。

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