飯倉晴武

飯倉晴武

飯倉晴武（いいくら はるたけ、1933年 - ）は、日本の歴史学者。

経歴

東京に生まれ、東北大学大学院修士課程を修了。その後、宮内庁書陵部にて首席研究官、陵墓調査官を歴任し、皇室関連の歴史研究に携わりました。退官後は、奥羽大学文学部教授、日本大学文理学部講師として教鞭を執り、後進の育成に尽力しました。

専門は日本史、特に古文書学であり、古文書の解読や研究において多大な功績を残しています。その研究成果は、数多くの著書や論文として発表されており、日本の歴史研究に大きく貢献しています。

業績

飯倉晴武氏の業績は、古文書学の研究、教育、そして一般への歴史知識の普及に大きく分けられます。

古文書研究: 宮内庁書陵部での実務経験を活かし、古文書の解読、研究に力を注ぎました。特に、明治以前の天皇文書に関する研究は、この分野における基礎を築いたと言えるでしょう。
教育活動: 大学教授、講師として、多くの学生に歴史学、古文書学の面白さを伝えました。丁寧な指導は学生からの信頼も厚く、多くの研究者を育てました。
一般向けの啓蒙活動: 専門知識をわかりやすく解説した著書を多数出版し、一般の人々が歴史に興味を持つきっかけを提供しました。

著書

飯倉晴武氏は、専門的な研究書から一般向けの入門書まで、幅広い層に向けた著作を発表しています。主な著書として以下が挙げられます。

『明治以前天皇文書の読み方・調べ方』(雄山閣出版, 1987): 古文書解読の入門書として、多くの研究者や歴史愛好家に読まれています。
『古文書入門ハンドブック』(吉川弘文館, 1993): 古文書の基礎知識をわかりやすく解説したハンドブックです。
『日本史小百科　古記録』(東京堂出版, 1998): 古記録に関する知識をコンパクトにまとめた事典です。
『地獄を二度も見た天皇光厳院』(吉川弘文館, 2002): 南北朝時代の光厳院の生涯を描いた歴史書です。
『日本人のしきたり』(青春出版社, 2003): 日本人の伝統的なしきたりについて解説した書籍です。
『日本中世の政治と史料』(吉川弘文館, 2003): 日本中世の政治と史料について論じた専門書です。
『日本人数のしきたり』(青春新書インテリジェンス, 2007): 日本人の数え方に関する知識をまとめた書籍です。
『神頼み入門』(角川oneテーマ21, 2008): 神頼みに関する知識を解説した入門書です。
『日本人の数え方がわかる小事典』(PHP新書, 2012): 日本の数え方に関する小事典です。

編著

史料纂集 第1 山科家礼記 (豊田武と校訂, 続群書類従完成会, 1967-1973)
史料纂集 第5 言国卿記 (山科言国, 豊田武と校訂, 続群書類従完成会, 1975-1995)
小学館の学習百科図鑑 21 人物世界の歴史 絵でみる伝記 (大江一道共著, 小学館, 1979)
弁官補任 第1-3 (続群書類従完成会, 1982-1983)
日本古文書学論集 3-4 古代 (山本信吉共編, 吉川弘文館, 1988)
長興宿禰記 (小槻長興, [続群書類従完成会], 1998)
親長卿記 第1-3 (甘露寺親長, 続群書類従完成会, 2000-2006, 史料纂集)
『日本人礼儀作法のしきたり』(監修, 青春新書インテリジェンス, 2007)

飯倉晴武氏は、日本の歴史学、特に古文書学の分野において、多大な貢献をされた研究者です。その研究成果は、後世に受け継がれ、日本の歴史研究の発展に寄与していくことでしょう。

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