飯尾賢連

飯尾賢連について

飯尾賢連（いのお かたつら）は、日本の戦国時代に活躍した武将で、その生涯や足跡は特に遠江国での歴史的背景と絡み合ったものです。彼は、吉良氏の家臣としてその名を知られ、後に今川氏の家臣へと転身した人物です。生没年は不詳ですが、彼の通称は善左衛門や善四郎とされ、父は飯尾長連、子には飯尾乗連がいます。賢連自体は遠江国曳馬城の城主としても知られています。

遠江飯尾氏の系譜

飯尾氏は、渡来人である三善氏の血を引いており、室町幕府の奉行衆として名高い家柄です。そのため、彼らの歴史は重要な時代背景を持っています。最初の記録は『山科家礼記』の1468年7月5日付で、「吉良殿内飯尾善四郎」として言及されています。この記録から賢連の父である長連が、当時の飯尾氏の当主である可能性が高いと推測されます。

家督の継承と内紛

文明8年（1476年）に今川義忠が遠江に侵攻した際、長連は戦死し、その後賢連は家督を継ぎました。しかし、吉良氏は遠江の代官に賢連ではなく、反今川派の大河内貞綱を任命します。こうした動きが賢連と貞綱との間の権力争いの始まりを告げるものでした。

その後、賢連は今川氏親からの支持を受けて徐々に権力を強化し、斯波義達の支持を得た貞綱との間で、浜松荘を巡る激しい争奪戦が繰り広げられました。ついに文亀元年（1501年）には賢連が浜松荘の代官に任じられ、権力を握ることとなりました。

今川氏と斯波氏の対立

しかし、遠江の支配権を巡って今川氏と斯波氏の対立は一層激化します。浜松荘の吉良氏家臣団においても、飯尾氏と大河内氏の間での対立が深まっていきました。三河の主家である吉良氏は、自身と同じ足利氏一門である今川氏と斯波氏の争いからは距離を置こうとしている様子が見受けられます。

永正14年（1517年）には、今川氏親が斯波義達を捕らえ、大河内貞綱を滅ぼし、遠江全域を支配下に置きます。その影響で、吉良氏は今川氏に非協力的と見なされ、ついに浜松荘から追放される運命に至りました。賢連も吉良氏との関係を断ち、今川氏の支援を受けて浜松荘の安堵を確保し、その後は今川氏に忠誠を誓うことになりました。

まとめ

飯尾賢連の人生とその背景は、戦国時代の複雑な政治情勢を反映しています。彼の登場を通じて、吉良氏と今川氏、さらに斯波氏との関係性が如何に変化していったか、その重要性が浮かび上がります。生涯を通じて賢連が果たした役割は、ただの一武将にとどまらず、遠江地域の歴史においても重要な位置を占めています。

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