飯島光峨

飯島 光峨（いいじま こうが）

飯島光峨は、1829年5月に生まれ、1900年2月に亡くなった明治時代の著名な日本画家です。彼は田安藩の飯島義重の三男として誕生し、本名は明といいますが、後に「光峨」という号を名乗ることになりました。

来歴

光峨は、日本橋村松町に住む沖一峨に師事し、画家としての基礎を築きました。師の一峨は酒井抱一に学び、色彩豊かな密画を得意としていました。光峨は、一峨から与えられた号にちなんで後に名を馳せたのです。また、彼は鳥取藩池田侯の画員である沖探沖の養子となり、さらなる画業の研鑽を積みました。

光峨は、安政2年に師匠の一峨が亡くなった後、師に縛られることなく、文芸に親しむことに力を注ぎました。これにより、仮名垣魯文や三遊亭円朝、さらには服部波山といった著名な人物と交遊を持ち、東海や畿内方面にも旅行しながら文化的な交流を深めました。

出品と評価

光峨は明治18年に開催された第1回鑑画会大会において、「桜花」や「秋草」といった作品を出品しました。これらの作品は、彼の技術を称賛されたものでした。そして、明治29年に行われた日本絵画協会の第1回絵画共進会には、東洋画の伝統を大切にした「小児十二ヶ月図」を出品し、近藤樵仙らと共に二等褒状を受ける結果となります。彼の作品は、当地の伝統的な様式を継承し、発展させるものであったと評価されています。

光峨は72歳でこの世を去り、彼の墓所は深川区の西光寺にあります。しかし、関東大震災後には多磨霊園に改葬されました。彼の門下には、巽画会を創設した遠上素香が存在し、光峨の影響を受けた後進の育成にも貢献しました。

作品と影響

飯島光峨は、豊かな色使いと繊細なタッチで多くの作品を残しました。彼の画業は、伝統的な東洋絵画の魅力を新たな視点から表現するものであり、後の世代にも影響を与えるものでした。彼の作品は、今なお日本美術の一部として高く評価されています。

参考文献

• - 日本美術院百年史編集室編『日本美術院百年史』一巻上（図版編）　日本美術院、1989年

飯島光峨の生涯とその画業は、日本画の発展に大きな足跡を残したことは間違いありません。彼の作品や影響を受けた後進たちの活動を通じ、今後も日本画の魅力が広がっていくことが期待されます。

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