飯田正人

飯田正人：麻雀界のレジェンド、その生涯と功績

1949年生まれの飯田正人氏は、日本の競技麻雀界において、その名を知らぬ者はいないほどのレジェンド的存在です。最高位戦日本プロ麻雀協会に所属し、卓越した技量と勝負師気質で数々のタイトルを獲得、麻雀史に燦然と輝く足跡を残しました。この記事では、彼の生涯、雀風、そして人となりについて詳しく見ていきましょう。

華麗なるプロ雀士人生

飯田氏は、早稲田大学法学部卒業後、雀荘経営を経て1981年に32歳で最高位戦日本プロ麻雀協会のBIIリーグでプロデビュー。当初はタイトルから遠ざかっていたものの、101競技連盟で初タイトルを獲得するなど、着実に実力を伸ばしていきます。1989年には最高位戦で最高位を獲得、以後4連覇という偉業を達成しました。そして2009年、10回目の最高位獲得により、協会から公式に永世最高位に認定されるという栄誉に輝きます。通算10期の最高位獲得は、史上最多記録であり、その実力の高さを証明しています。

最高位戦での活躍にとどまらず、モンド麻雀プロリーグ（旧称：麻雀デラックス）にも草創期から参加。「名人戦」では3度の優勝を達成し、その強さを全国に知らしめました。特に第6回名人戦での決勝第1戦、ラスからの大逆転劇は伝説として語り継がれています。テレビ対局では、その重厚な麻雀スタイルと勝負強さ、そして時折見せる大胆な打ち筋は、多くの視聴者を魅了しました。

重厚にして繊細な雀風

飯田氏の雀風は「基本に忠実」という言葉がぴったり当てはまります。攻め時と守り時の判断が絶妙で、リーチをかけてのツモ和了りを得意としました。手役よりも良形を重視し、愚形和了りは好まず、七対子などは極力避ける傾向がありました。しかしながら、決して堅実なだけではありませんでした。一度流れをつかむと、それを離さない圧倒的な強さを持っていました。

解説者として知られる土田浩翔氏は、飯田氏との対局を振り返り、「飯田さんのリーチには、恐怖を感じた」と語っています。これは、飯田氏の圧倒的な実力と勝負強さを表す言葉と言えるでしょう。一方で、三色同順は両門待ち以外はあまり狙わず、解説者から「平和の神様が微笑む」と評されるほど、独特の選択眼を持っていました。

名局：第5回モンド21王座決定戦

第5回モンド21王座決定戦では、最終局まで優勝が濃厚でしたが、親の和泉由希子選手の逆転三倍満により準優勝に終わりました。しかし、この局で飯田氏は、和泉選手の和了牌を止めて放銃を回避するという、驚異的な読みを見せました。このプレイは、飯田氏の冷静な判断力と高い麻雀センスを証明する名局として記憶されています。

レジェンドの死とその後

2012年5月18日、大腸癌のため63歳で逝去。Aリーグ復帰を予定していた矢先の訃報は、麻雀界に大きな衝撃を与えました。彼の死後、最高位戦Classicの名称が「飯田正人杯 最高位戦Classic」と改められ、その功績が称えられています。彼の功績を称える「飯田正人永世最高位お別れの会」や追悼番組が開催・放送されるなど、麻雀界全体で惜しまれ、その偉業は長く語り継がれていくことでしょう。

数々のタイトルと栄誉

飯田氏は、最高位10期（永世最高位）、王位、最強位、最高位戦Classic、八翔位、麻雀プログランプリ、無双位、モンド21杯、モンド21名人戦など、数々のタイトルを獲得しました。これらの輝かしい実績は、彼の麻雀界における圧倒的な存在感を示しています。

まとめ

飯田正人氏は、まさに麻雀界のレジェンドと言えるでしょう。その卓越した技術、勝負師としての気質、そして人としての魅力は、多くのプロ雀士やファンに深い感銘を与え続けました。彼の功績は、これからも麻雀界の歴史に刻まれ続けることでしょう。彼の生き様は、後進のプロ雀士たちにとって、永遠の目標であり続けることでしょう。

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