飯田義弘

飯田義弘のプロフィールと編集に関する業績

飯田義弘（いいだ よしひろ）は、日本の漫画編集者として知られ、特に『月刊少年ガンガン』の第二代編集長としてその名を馳せました。また、彼は株式会社マッグガーデンの取締役社長としても活躍しており、現在に至るまで幅広い業務を手掛けています。持ち前の卓越した編集力によって、多くの才能を発見し、育てる役割を果たしてきました。

編集の体制とその特徴

飯田が編集長に就任した際、彼の改革はすぐに嵐のように感じられました。最初の大きな変化として、月刊誌『月刊少年ガンガン』は隔週刊から月刊に戻され、誌面も一新されました。新たに発掘された作家には、木下さくらと黒乃奈々絵が含まれ、彼らは「魔探偵ロキ」や「新撰組異聞PEACE MAKER」、「スパイラル 〜推理の絆〜」、「スターオーシャン セカンドストーリー」といった人気作品の連載をスタートさせました。

このような作品群は、現在の月刊コミックブレイドとも直結しており、飯田体制による『ガンガン』のビジョンはその後のエニックス系、ガンガン系の漫画も大きく影響を与えています。他方で、古参の読者からはこの方針に対する批判も寄せられたことがあり、編集方針が一筋縄では行かないものであったことがうかがえます。さらに、荒川弘、山崎風愛、大久保篤、MINAMO（現在の名前ではだいらくまさひこ）、椿あすといった後に人気を集める作家たちもこの時期に発掘され、土塚理弘も独特のギャグセンスを見せる場面が多く見られました。

編集方針の激動

飯田体制は、エニックス社内での騒動と連動して続いていきました。特に、マッグガーデンによる作家の引き抜きが行われる中で「ニューエイジコミックキャンペーン」なる新連載が多数展開され、読者の目を引く作品が次々に提供されました。このことにより、『鋼の錬金術師』や『666〜サタン〜』、さらには『フラッシュ!奇面組』などの連載開始が発表されました。飯田は2001年9月に発売された増刊『ガンガンパワード』の第2号を最後に編集長の役職を辞するまで、様々な挑戦に臨んできました。

飯田義弘の人となり

編集の初期には役割が明確に分かれており、飯田の下には保坂嘉弘という主要な編集人がいました。飯田自身は、カルト的人気を誇る4コマ漫画『うめぼしの謎』（三笠山出月著）を担当しており、その作品にしばしば顔を出すことで知られています。元々は映画監督を夢見ていたという彼は、三笠山からの信頼も厚く、同作の第1巻カバーには彼の顔写真が掲載されているほどです。さらに、第2巻には「飯田義弘氏に捧ぐ」という形で、まるで欧米の小説の謝辞のようなジョーク文章が収められているのも面白いポイントです。

彼はまた、自身の発言が「飯田伝説」として語られ、後に受賞式でエピソードを引き合いに出されることも経験しました。ギャグ王のパーティーに出席した際には、ホテルのロビーにて『うめぼしの謎』を持ちながら案内役を務め、他の作品でもネタとして扱われたことから当時のギャグ王読者には非常に親しまれた存在でした。桜井蓮哉の作品『もけけ日記』の第一巻の紹介でも、ギャグ王読者の間では知名度が高いことが記されています。

このように、飯田義弘は編集者としての地位を確立し、多くの作品と作家を支えてきた重要な人物であるといえます。彼の手掛けた作品群や彼本来のユニークなキャラクターは、今なお多くのファンに愛され続けています。

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