飴屋町 (名古屋市)

飴屋町（あめやちょう）

概要

飴屋町は、愛知県名古屋市中区に位置していた、かつての町名です。現在の住所では、上前津一丁目、上前津二丁目、橘一丁目、富士見町の一部にあたります。町名には「丁目」は設定されていませんでした。

地理

飴屋町は、名古屋市中区の南部に位置していました。具体的な範囲としては、現在の地図で上前津エリアの南側の一部と捉えることができます。

歴史

地名の由来

飴屋町の名前の由来については、具体的な記録は残っていませんが、町内に飴を扱う商人が多く住んでいたことが想像されます。

沿革

飴屋町の歴史は、江戸時代に遡ります。

江戸時代初期: 『武道要話雑抄録』や『尾張志』といった文献によると、元禄7年（1694年）から正徳2年（1712年）の間に町家が形成されたとされています。宝暦13年（1763年）までには町としての形態を整えたと考えられています。
享保年間: 享保13年（1728年）には、町家の増加に伴い、町奉行の管理下に編入されました。『吏事随筆』には、この時の状況が詳しく記録されています。町奉行の管理下に入ったことで、町の秩序が保たれ、さらなる発展につながったと考えられます。
明治時代初期: 明治4年（1871年）には、周辺の梅川町に編入され、一時的に飴屋町という名前は消滅しました。
明治時代中期: しかし、1878年（明治11年）12月20日には、梅川町の一部が分割され、再び飴屋町として独立しました。これは、町としての必要性が再認識されたためと考えられます。
明治時代後期: 1908年（明治41年）4月1日には、中区が成立したことに伴い、飴屋町は中区の一部となりました。この区制施行は、名古屋市の近代化を象徴する出来事の一つでした。
昭和時代後期: 1974年（昭和49年）5月11日には、住居表示が実施され、飴屋町は上前津一丁目、上前津二丁目、橘一丁目、富士見町に編入され、その名前は消滅しました。この住居表示の実施により、より整理された住所表記となり、都市機能の効率化が図られました。

現在

飴屋町という地名は現在では使われていませんが、その場所は上前津エリアの一部として、名古屋の歴史の一部を刻んでいます。

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 23 愛知県』角川書店、1989年。ISBN 4-04-001230-5。
有限会社平凡社地方資料センター 編『日本歴史地名大系第23巻 愛知県の地名』平凡社、1981年。ISBN 978-4-582-49023-7。
* 福岡清彦『中区の町名』名古屋市中区役所、1976年。


この文章は、飴屋町の歴史と変遷をまとめたものです。過去の文献や記録に基づき、可能な限り正確な情報を提供するよう努めました。

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