養老町 (名古屋市)

養老町は、かつて愛知県名古屋市中区に存在した地名です。現在の名古屋市中心部の一部を構成していました。

養老町の名前は、かつてこの地域に養老院が存在したことに由来すると伝えられています。養老院が設置されていたことが、そのまま町名として採用されたと考えられます。

1909年（明治42年）10月1日、愛知郡千種町の一部が名古屋市に編入され、中区養老町として正式に成立しました。この際、『角川日本地名大辞典』によれば、同じく愛知郡に属していた御器所村の一部も養老町に編入されたとされています。これにより、養老町は名古屋市の一部として新たな歴史を歩み始めました。

1911年（明治44年）11月1日には、東陽町の一部が養老町に編入され、この区域をもって養老町2丁目としました。この編入により、養老町の町域はわずかながら拡大しました。

1977年（昭和52年）10月23日、養老町は中区の新栄一丁目、新栄二丁目、千代田五丁目に編入される形で消滅しました。この編入により、養老町という地名は歴史の中にその幕を閉じました。しかし、その名称は、かつてこの地に存在した歴史的な町として、今もなお語り継がれています。

養老町は、短期間ではありましたが、名古屋市の一部として歴史を刻んだ地名です。その名は、養老院の存在を物語り、町の変遷は名古屋市の発展の一端を示しています。現在の名古屋市を語る上で、忘れてはならない歴史の一コマと言えるでしょう。

「角川日本地名大辞典」編纂委員会編『角川日本地名大辞典 23 愛知県』角川書店、1989年3月8日。ISBN 4-04-001230-5。
名古屋市計画局『なごやの町名』名古屋市計画局、1992年3月31日。