御器所

御器所（ごきそ・ごきしょ）

御器所は、愛知県名古屋市昭和区に位置する地名で、住居表示が実施されている御器所一丁目から四丁目と、未実施の御器所町から構成されています。この地域は、名古屋市の中央西部に位置し、御器所台地と呼ばれる高台の一部にあります。かつては精進川が流れていた場所には、沖積低地が広がっています。

歴史

御器所の名前は、1190年の『吾妻鏡』に初めて登場します。元々は熱田神宮の神領でしたが、国衙領となり、平家の私物化を経て、源頼朝の妹に渡りました。その後、南北朝時代には御器所保という荘園となり、1351年には高階重成によって臨川寺に寄進されました。江戸時代には大代官所の支配下に置かれました。

江戸時代には、御器所大根を使った沢庵漬けが名産品として知られ、萬太という屋号の商人によって盛んに作られていました。大正時代には、年間78万貫以上の生産量があったと記録されています。

地名の由来

『尾張志』によれば、御器所は熱田神宮の神事で使う土器を調達する場所であったことが地名の由来とされています。地名の読み方は、本来「ごきそ」ですが、昭和時代に住居表示が実施された際、「ごきしょ」とされました。しかし、この読み方は地元住民に浸透せず、平成に入ってから正式に「ごきそ」に戻されました。

沿革

御器所は、明治時代以降、周辺の村との合併や名古屋市への編入を経て、現在の形になりました。以下に主な沿革をまとめます。

1873年：小学叢雲学校が設立。
1876年：前津小林と合併し常磐村が成立。
1879年：前津小林が名古屋市に吸収され、御器所村に名称が復帰。
1889年：町村制施行により、愛知郡御器所村大字常磐となる。
1905年：名古屋高等工業学校が設置。
1906年：愛知郡御器所村大字御器所と改称。
1909年：一部が名古屋市に編入。
1921年：名古屋市中区に編入され、同区御器所町となる。
1937年：一部が昭和区に編入され、昭和区御器所町が成立。
1972年：住居表示の実施により、御器所一丁目から四丁目が成立。
2002年：地名の読み方が「ごきそ」に戻る。

町の構成

御器所には、以下の町名や字があります。

南永金、滝子、稗田、高辻、下島田、江越、下赤島、高縄手、上赤嶋、段子田、坂下、地村、北永金、中屋敷、門屋敷、亀口、円上、鎌田、白金、向田、鳥喰、大清水、古市場、布池、河田、都島、菱池、吸場、外田、島退、島西浦、砂田、北市場、登城海道、東脇、出口、念仏、玄方、天神前、天神東、荒畑、東寺、山崎、木市、西狭間、北丸屋、北山、北山前、東畑、下離松、上離松、山ノ田、東狭間、吹上、竹戸、小針、西鶴舞

人口

2019年1月1日現在の世帯数と人口は以下の通りです。

世帯数： 4,152世帯
人口： 9,125人

学区

御器所は、市立小学校と中学校の学区が指定されています。公立高等学校の学区も定められています。小中学校は学校選択制ではなく、番地ごとに指定された学校に通学します。

施設

御器所には、以下の施設があります。

天池西商店街
天池東商店街
名古屋工業大学
真証寺 (御器所一丁目)
天理教南愛分教会 (御器所一丁目)
尾陽神社 (御器所二丁目)
天池幼稚園 (御器所二丁目)
洲原郵便局 (御器所二丁目)
竜興寺 (御器所三丁目)
宗円寺 (御器所三丁目)
享栄寺(御器所三丁目)
真教寺(御器所三丁目)
引接寺(御器所三丁目)
久松寺 (御器所三丁目)
瑞雲保育園 (御器所三丁目)
御所町公園 (御器所三丁目)
御器所八幡宮 (御器所四丁目)
神宮寺 (御器所四丁目)
堪忍寺 (御器所四丁目)
永西寺 (御器所四丁目)
村雲公園 (御器所四丁目)

史跡

御器所には、以下の史跡があります。

御器所西城跡
御所屋敷跡

ゆかりのある人物

御器所には、以下の人物にゆかりがあります。

大政所：豊臣秀吉の生母。御器所村で生まれたという説があります。
豊臣秀吉：御器所村で生まれたという異説があります。

その他

御器所の郵便局は、以下の通りです。

日本郵便：集配担当する郵便局は昭和郵便局です。

参考資料

愛知郡役所 編『尾張国愛知郡誌』愛知郡役所、1923年2月28日。 
昭和区制施行50周年記念事業委員会 編『昭和区誌』昭和区制施行50周年記念事業委員会、1987年。
「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 23 愛知県』角川書店、1989年3月8日。
名古屋市計画局『なごやの町名』名古屋市計画局、1992年3月31日。

関連項目

名古屋市の地名

外部リンク

* ウィキメディア・コモンズには、御器所に関するカテゴリがあります。

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