首都防衛司令部

首都防衛司令部について

首都防衛司令部（しゅとぼうえいしれいぶ）は、韓国陸軍の中で特に重要な役割を担っている大統領直属の部隊です。一般的に「盾部隊」とも呼ばれ、この部隊は主にソウルを防衛する任務に従事しています。韓国国内の有事においては、韓国政府が単独で統制権を行使できる唯一の実力部隊として位置づけられています。

沿革

この司令部は、1949年6月20日に「首都警備司令部」として設立され、その後第2連隊、第3連隊、第18連隊を編成しました。しかし、朝鮮戦争の際には混成首都師団に再編・解体される運命となります。

1961年6月1日に、ソウル特別市の龍山区厚岩洞にて「首都防衛司令部」が再創設され、翌年には中区筆洞に移転しました。その後、名称を再度「首都警備司令部」に戻し、主に首都の防衛を任務としました。ただし、青瓦台襲撃未遂事件を受けてからは新たに対浸透作戦の任務も加わりました。

1984年には、周辺の多数の師団が編入され、軍団級部隊となった際に現在の名称である「首都防衛司令部」に戻りました。1990年代には、ソウル漢江以北に隷下の動員師団が新たに設けられ、1991年3月1日には再び司令部が南泰嶺に移転しました。

1996年には、金泳三政権下での軍内秘密組織「ハナフェ」の粛清の際、景福宮の第30警備団と第33警備団が統廃合され、第1警備団が新たに創設されました。

2008年には、国防改革2020に関連した計画で首都防衛司令部の解体が提案され、その後、ソウル市内の防衛を首都軍団に委任する方針が打ち出されましたが、すぐに提案が修正され、逆に残る首都防衛司令部が地域軍団級部隊として強化されることとなりました。これらの計画は後に白紙に戻されています。

2011年には、国防改革に基づき、57郷土歩兵師団が別の師団と統合されたほか、首都圏防空作戦を一本化するために、過去の第1防空旅団が第10防空団に再編され、首都防衛司令部に編入されました。この年には、機甲部隊であった第19戦車大隊が、機械化歩兵部隊に改編された第8師団隷下の部隊に組み入れられています。

現在の編制

現在、首都防衛司令部の編制には以下の部隊が含まれています：

• - 第52郷土防衛師団
• - 第56郷土防衛師団
• - 第57郷土防衛師団
• - 第60予備歩兵師団
• - 第71予備歩兵師団
• - 第1化学防護旅団
• - 第112通信旅団
• - 第10防空砲兵群
• - 第1113工兵群

歴代司令官

歴代の司令官には、崔昌彦（1949年7月1日 - 1949年7月30日）、宋錫夏（1949年7月30日 - 1950年2月15日）、張錫倫（1950年2月15日 - )、南在俊（1993年 - 1995年）などが名を連ねています。

備考

かつては専用迷彩服「維新服」が支給されており、その独特なデザインは当時の部隊のシンボルともされました。このように、首都防衛司令部は韓国陸軍の根幹をなす部隊として、時代を経てもその役割を果たしています。

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