香坂昌康

香坂昌康（こうさか まさやす）は、1881年（明治14年）2月2日に東京で生まれ、1967年（昭和42年）12月21日に86歳で亡くなった日本の内務官僚です。彼は、官選の県知事を務めたほか、弓道家としてもその名を知られています。

生涯

香坂は東京府立一中、錦城中学、一高を経て、1908年（明治41年）に東京帝国大学法科大学法律学科仏法科を卒業しました。同年には文官高等試験に合格し、内務省に入省。愛媛県理事官・視学官、岡山県警察部長、熊本県警察部長、秋田県内務部長、埼玉県内務部長などを歴任した後、1923年（大正12年）に福島県知事に就任しました。

その後、香坂は愛媛県、岡山県、愛知県の各県知事を歴任し、地方行政に貢献しました。1932年（昭和7年）に一旦退官しますが、同年には東京府知事として復帰。1935年（昭和10年）に再び退職するまで、その職務を果たしました。

また、香坂は戦前には大日本連合青年団や日本青年館の理事長、国民精神総動員中央連盟の理事などを務め、国民精神の昂揚に尽力しました。1945年（昭和20年）には、大東亜錬成院の院長に就任。戦後は公職追放の対象となり、1951年（昭和26年）までその処分を受けました。

弓道家として

香坂は、弓道家としても名を馳せました。大学時代には本多流の宗家である本多利実に師事し、その腕を磨きました。1947年（昭和22年）には、弓道における最高の位である範士号を授与され、その実力が公に認められました。戦後には、全日本弓道連盟の副会長を務めるなど、弓道界の発展にも貢献しました。

その他

香坂は、1933年（昭和8年）に関東防空大演習に関するラジオ演説を行った際、その録音盤が2019年（令和元年）に発見されました。この録音盤は、当時の貴重な資料として注目されています。

著作活動

香坂は、著作活動も行っており、『炉辺閑話』、『一人の力、国家の力』などの著書があります。また、編著として『幽香女史』なども手がけました。没後には、『香坂昌康遺芳録』が刊行され、その功績が後世に伝えられています。

香坂昌康は、激動の時代を官僚として、また弓道家として生きた人物でした。その多岐にわたる活動は、日本の近代史において重要な足跡を残しています。

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