香川春継

香川春継の生涯

香川春継（かがわはるつぐ）は、戦国時代から江戸時代前期にかけて活躍した武将であり、安芸香川氏の一族に属していました。彼は毛利氏の家臣として、また後に吉川氏の家臣として名を馳せました。彼の人生は波乱に満ちており、数々の戦いを通じてその武勇を示しました。

安芸武田氏の衰亡と毛利氏家臣としての活動

春継は、安芸武田氏の衰亡期に生まれました。これは彼の家族が新たに毛利氏に仕官するようになった時期でもあります。毛利氏が周防国や長門国を併呑し、さらに尼子氏との対決を始めた時代に春継は成長しました。永禄7年、彼は三村家親と共に伯耆国の不動ガ嶽城を攻撃し、救援に来た尼子軍を撃退しました。その後も八橋城攻略戦に参加したとされ、尼子討伐において彼の動向は明確には記録されていないものの、父や兄と共に勇敢な戦いを繰り広げていたと考えられます。

尼子再興軍との戦い

永禄11年、毛利元就の命を受けて春継は美作国に進攻し、三浦貞盛が籠もる高田城を攻撃しました。彼はその後、豊前地方での戦に向かい、大友氏との連戦に参戦しました。永禄12年になると、尼子再興軍が山中幸盛と共に出雲国に侵入し、月山富田城を包囲する事態が発生しました。これに対抗するため、毛利氏は春継を含む援軍を派遣し、彼は高田城の防衛に従事しました。

高田城内では内応者が現れ、春継たちが苦境に立たされましたが、彼はその武勇を遺憾なく発揮し、一騎討ちで敵将を討ち取るなどの活躍を見せました。春継の奮戦によって高田城は守られましたが、最終的に毛利軍は城を放棄し、三浦貞広がその後を引き継ぐことになりました。

吉川氏への仕官

時期は不明ですが、春継は毛利氏から吉川氏に仕官することになりました。これは吉川元春の強い要望によるとも言われ、彼の名前に「春」の字が含まれていることからも元春からの偏諱を受けた可能性があります。豊臣秀吉の九州征伐が始まると、春継は吉川軍の一員として九州に出陣し、1586年には高橋元種の籠もる香春嶽城を攻撃し、勝利に貢献しました。

岩国藩の家老職

慶長5年の関ヶ原の戦い後、毛利氏が防長に移封されると共に、吉川氏も周防国岩国に所領を変えました。春継はその後、吉川家の家老職に就任し、岩国領主吉川広家を支える重要な役割を果たしました。彼の死は元和5年（1619年）、その後家督は嫡男の香川家景が継ぎました。春継の生涯は、戦国時代の激動の中で家族や家柄との関係を持ちながら、忠誠を尽くし、戦に参加した証として記憶されています。

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