香川輝

香川輝は、1862年（文久2年）に周防国（現在の山口県）で生まれました。長州藩士である香川東一の次男として生を受け、幼少期から武道に親しみました。

大学予備門で学んだ後、山岡鉄舟の道場で剣術を修練し、その腕を磨きました。特に、貫心流剣術を得意とし、剣道五段の腕前を持つほどの達人でした。彼の武道への情熱は、その後の人生にも大きな影響を与えました。

1881年7月、香川は外務省に入省し、その後内務省に転じました。1892年8月には秋田県書記官に就任し、地方行政のキャリアをスタートさせました。その後も、内務省警保局主事、沖縄県書記官、鳥取県内務部長、佐賀県書記官、茨城県内務部長など、数々の要職を歴任し、その行政手腕を発揮しました。

1900年4月、香川は鳥取県知事に任命され、知事としてのキャリアをスタートさせました。その後、佐賀県知事、朝鮮慶尚南道長官、福井県知事を歴任し、各地の行政に尽力しました。1919年4月には岡山県知事に就任しましたが、1919年9月の県会議員選挙、1920年5月の第14回衆議院議員総選挙において、政友会勢力拡大のため選挙干渉を行ったとされています。1922年6月に岡山県知事を辞任しました。

香川の功績は行政官としての活動にとどまらず、剣道家としても知られています。1916年には、自身の剣道に関する知識と経験をまとめた『剣道極意』と『袖珍剣道極意俗解』を出版し、剣道界に貢献しました。

香川輝は、1923年（大正12年）3月28日に生涯を閉じました。地方行政に携わる一方で、剣道家としても名を残し、多才な人物としてその名を歴史に刻んでいます。彼の足跡は、日本の地方行政と武道文化の両面において、重要な存在であったことを物語っています。

栄典

1906年（明治39年）4月1日 - 勲三等旭日中綬章
1907年（明治40年）6月21日 - 従四位

著作

『剣道極意』 大正書院、1916年
『袖珍剣道極意俗解』 大正書院、1916年

もう一度検索