香港中学文憑

香港中学文憑（HKDSE）とは

香港中学文憑（Hong Kong Diploma of Secondary Education, HKDSE）は、2012年から香港で実施されている公開の学力試験です。香港の教育制度改革の一環として導入され、大学進学のための重要な指標となっています。

導入の背景

2009年9月、香港の教育制度は、従来の「三二二三学制」から「三三四学制」へと移行しました。この改革に伴い、中学4年生に進級する生徒は新たなカリキュラムを履修することになりました。そのため、新制度の最初の生徒たちが中学6年生に進級する2011年9月、そして2012年4月、5月ごろに、新設された香港中学文憑の最初の受験生となったのです。

試験制度

香港中学文憑の試験結果は、大学や職業高等学校への進学に利用されます。進学方法は主に2つあります。

1. JUPAS (Joint University Programmes Admissions System)
大学教育資助委員会（University Grants Committee, UGC）のメンバーである8つの公立大学（香港大学、香港中文大学、香港理工大学、香港城市大学、香港浸会大学、香港科技大学、香港教育大学、嶺南大学）と一部の公立・私立大学は、このJUPASという統一システムを通じて学生を選抜します。選抜基準は、香港中学文憑の試験成績、または2012年まで実施されていた香港高級程度会考の成績です。JUPASは、学士号、公営準学士（日本の高専卒や専門士に相当）、副学士（日本の短期大学士に相当）の課程への入学選抜を行います。高校受験生がUGCメンバー校へ入学するには、原則としてJUPASを経由する必要があります（ただし、外国人学校の在籍者など、試験を受けない者は例外です）。

2. 大学の独自選抜
JUPASに参加していない大学や、一部の学部・学科では、独自の方法で学生を選抜します。

試験科目

旧制の「三二二三学制」と比べて、新制の「三三四学制」では、多くの新科目が導入されました。特に、外国語科目には日本語などが新設されました。大学入試においては、以下の4科目が必修科目とされています。

中国語
英語
数学
通識（一般教養）

中国語を母語としない受験生に対しては、特例措置があります。英語以外の外国語の合格が、中国語の合格とみなされる場合があります。これにより、中国語の必修が免除される可能性があります。ただし、一部の大学ではこの特例措置を認めていないため、国際中等普通教育証明書（IGCSE）の中国語試験など、他の中国語試験の合格が必要となる場合があります。

香港中学文憑の重要性

香港中学文憑は、香港の学生にとって大学進学の重要な関門です。この試験の結果によって、進学できる大学や学部・学科が大きく左右されるため、生徒たちは試験に向けて日々努力を重ねています。また、試験内容の難易度も高く、学生の学力を測るための重要な指標となっています。

外部リンク

香港中学文憑の公式リンク（繁体字中国語）
香港中学文憑の公式リンク（英語）

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