香港特別行政区政務司司長

政務司司長

政務司司長（Chief Secretary for Administration）、略称CSは、香港特別行政区政府において最高位の高官であり、行政会議のメンバーとしても重要な役割を果たしています。この役職は、行政長官の指名に基づいて中国政府（国務院）によって任命されます。なお、主に日本語では「政務長官」と訳されることもありますが、これは1976年から1997年の返還前の香港政庁での布政司に由来しています。このため、布政司と行政長官の両方の訳語が混在している点に留意が必要です。

職務と役割

政務司司長の主な任務は、行政長官（返還前の総督）をサポートし、すべての決策局の連携を監督し、各部門の政策を調整することです。彼は全ての局長を率いる立場にあり、公務員制度においてはかつて最上位の職位でしたが、2002年の高官問責制の導入以来、政治任命職に変更されました。また、行政長官が海外にいる場合や不在の際には代理行政長官としての役割も担います。

歴代の布政司と政務司司長

布政司

返還前の布政司の任免者の多くはイギリス本国から派遣された官僚でしたが、香港人として唯一布政司を務めたのは陳方安生（アンソン・チャン）です。それ以前は、輔政司と呼ばれていました。布政司としての歴代任命者を下記に記します。

• - デニーズ・チュードル・エミル・ロバーツ（Sir Denys Tudor Emil Roberts、中国語名「羅弼時」）：1976年〜1978年
• - ジャック・カーター（Sir Jack Cater、中国語名「姫達」）：1978年〜1981年11月
• - チャールズ・フィリップ・ハッドンケイヴ（Sir Charles Philip Haddon-Cave、中国語名「夏鼎基」）：1981年11月〜1985年5月
• - デービッド・アーカーズジョーンズ（Sir David Akers-Jones、中国語名「鍾逸傑」）：1985年6月〜1986年12月
• - デービッド・ロバート・フォード（Sir David Robert Ford、中国語名「霍徳」）：1987年1月〜1993年11月28日
• - 陳方安生（アンソン・チャン）：1993年11月29日〜1997年6月30日

政務司司長

1997年の返還以降、政務司司長に就任した歴代の官僚は以下の通りです。

• - 陳方安生（アンソン・チャン）：1997年7月1日〜2001年4月30日
• - 曽蔭権（ドナルド・ツァン）：2001年5月1日〜2005年5月24日
• - 孫明揚（署理）（マイケル・スン）：2005年5月25日〜2005年6月29日
• - 許仕仁（ラファエル・ホイ）：2005年6月30日〜2007年6月30日
• - 唐英年（ヘンリー・タン）：2007年7月1日〜2011年9月30日
• - 林瑞麟（ステファン・ラム）：2011年9月30日〜2012年6月30日
• - 林鄭月娥（キャリー・ラム）：2012年7月1日〜2017年1月16日
• - 張建宗（マシュー・チャン）：2017年1月16日〜2021年6月25日
• - 李家超（ジョン・リー）：2021年6月25日〜2022年4月7日
• - 陳国基（エリック・チャン）：2022年7月1日〜現在

まとめ

政務司司長は香港の行政において中心的な役割を果たしており、その職務は政治的な責任を持っています。歴代の司長たちが果たした役割は、香港の歴史や政治につながる重要な要素であり、彼らの影響は現在の政治風景にも見受けられます。

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