香港&上海ホテルズ

香港&上海ホテルズ：歴史と世界展開

香港&上海ホテルズ（The Hongkong and Shanghai Hotels, Limited）は、1866年に設立された歴史あるホテル運営会社です。本社を香港に置き、漢字表記では「香港上海大酒店有限公司」と記されます。1929年には、「スエズ運河以東で最高のホテル」をキャッチコピーに、第一号ホテルとなるザ・ペニンシュラ香港を開業しました。この開業は、同社が高級ホテル業界で確固たる地位を築く第一歩となりました。

オーナーと事業の多角化

同社のオーナーは、バグダッドを発祥とするユダヤ系のカドゥーリー家が1930年代から代々務めています。カドゥーリー家は、発電・インフラ開発を本業としており、香港最大の電力会社である中華電力（CLPホールディングス）を傘下に持つ、香港を代表する企業グループのオーナーでもあります。香港&上海ホテルズとCLPホールディングスは、香港市場でそれぞれ独立して上場しています。

創業当初、社名が示す通り、主に香港と上海でホテルを経営していました。その後、1960年代にはキャセイ・パシフィック航空と共同で機内食事業に進出し、香港の夜景観光で有名なピークトラムの運営にも携わるなど、事業領域を拡大しました。

ペニンシュラ・グループの設立と海外進出

1973年、香港&上海ホテルズは、自社運営のホテルを統括するマーケティング部門としてペニンシュラ・グループを設立しました。このグループを通じて、マニラとバンコクにペニンシュラホテルを開業し、アジアでのプレゼンスを強化しました。1988年には、ニューヨークのホテル・マキシム・ド・パリを買収し、ザ・ペニンシュラ・ニューヨークとしてリブランド。これにより、ペニンシュラホテルは初の西洋進出を果たしました。

リゾートホテル事業からの撤退とシティホテルへの注力

1990年代に入ると、香港&上海ホテルズはリゾートホテルの運営にも乗り出しましたが、アジア経済危機に直面。また、リゾートホテル運営に必要なノウハウが不足していることに気づき、リゾートホテル事業から撤退しました。その後、同社はシティホテルの事業拡大に注力し、ヨーロッパへの進出を視野に入れています。

2007年9月10日には、日比谷パークビル跡地に「ザ・ペニンシュラ東京」がオープンし、日本市場への本格的な参入を果たしました。さらに、2010年上海万博開催の前年である2009年10月には、上海の外灘（バンド）近く、かつて外国人専用デパートとして賑わった「上海友誼商店」跡地に「ザ・ペニンシュラ上海」がオープンし、古巣である上海での再展開を果たしました。2014年には、10番目のホテルとして「ザ・ペニンシュラ・パリ」がオープンし、ヨーロッパでの足掛かりを築いています。

ホテル所在地

現在、香港&上海ホテルズが運営するホテルは以下の通りです。

香港
ザ・ペニンシュラ香港
アメリカ合衆国
ザ・ペニンシュラ・ニューヨーク
ザ・ペニンシュラ・シカゴ
ザ・ペニンシュラ・ビバリーヒルズ
日本
ザ・ペニンシュラ東京
タイ
ザ・ペニンシュラ・バンコク
中国
ザ・ペニンシュラ・上海
ザ・ペニンシュラ・北京
フィリピン
ザ・ペニンシュラ・マニラ
フランス
ザ・ペニンシュラ・パリ
イギリス
ザ・ペニンシュラロンドン
トルコ
* ザ・ペニンシュラ・イスタンブール

まとめ

香港&上海ホテルズは、創業から150年以上の歴史を持ち、高級ホテル業界で確固たる地位を築いてきました。ペニンシュラホテルを中心に、アジア、北米、そしてヨーロッパへと展開し、そのブランド力を高めています。今後も、新たなホテル展開を通じて、グローバルなホテルグループとしての成長が期待されます。

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