ザ・ペニンシュラ香港

ザ・ペニンシュラ香港：歴史と魅力を纏う香港の象徴

ザ・ペニンシュラ香港は、香港の九龍地区、尖沙咀に位置する高級ホテルです。1928年の開業以来、香港のみならずアジアを代表する最高級ホテルの一つとして、その名を馳せています。運営は香港&上海ホテルズが行っています。

歴史

1842年、アヘン戦争後の南京条約によって香港はイギリスの植民地となり、本格的な発展を始めました。しかし、1900年代初頭の香港は、まだ鄙びた漁村の雰囲気を残しており、リゾート地としてPRするためには、高級ホテルの存在が不可欠でした。

当時、香港の中心市街地は中環地区であり、尖沙咀は田舎町でした。1910年に九広鉄路が完成し、現在のスターフェリー乗り場付近に駅が設置されたことで、この場所は海の玄関口としての重要性を増しました。香港&上海ホテルズを創業したカドゥーリー一族のエリス・カドゥーリーは、この場所にホテルの建設を決意し、1922年に建設が始まりました。

建設は順調には進まず、第一次世界大戦後の混乱期であったことや、1927年にイギリス軍によって敷地の一部が接収され、砲座が設置されたこともありました。そのため、開業は当初の予定より約4年遅れの1928年12月11日となりました。開業時の客室数は250室で、当時としては珍しく、全室にバスルームとトイレが完備されていました。

1941年12月8日、太平洋戦争（大東亜戦争）が勃発すると、日本軍が香港に進駐し、ホテルは「東亜ホテル」と改名されました。戦争中は日本軍の将校集会所や軍関係者向けのホテルとして使用されましたが、日本の敗戦後は元のホテルに戻り、一般客向けに営業を再開しました。

その後、ザ・ペニンシュラ香港は数回にわたる内外装のリニューアルを経て、香港を代表する最高級ホテルとしての地位を確立しました。1994年には新館としてザ・ペニンシュラタワーが完成し、客室数が大幅に増加しました。

ランドマークとしての存在

ザ・ペニンシュラ香港は、ビクトリア・ハーバーを見渡せる尖沙咀の中心地に位置し、香港を代表するランドマークとして世界的に知られています。ショッピングアーケードやロビーには、世界中から多くの観光客が訪れます。

建物と客室

ホテルは、開業当初から使用されている本館と、1990年代に増設されたタワーの2つの棟からなっています。本館にはロビー、レストラン、ショッピングアーケードがあり、タワーは客室とオフィスとして使用されています。

客室数は300室で、一番狭い客室でも約41平方メートルの広さがあります。すべての客室には、ライティングデスク、ファックス、CD/VCD/DVDプレーヤー、電動カーテン、そしてバスルームにはシャワーブースとカラーテレビが完備されています。

主な施設

ホテル内には、様々なジャンルのレストランとバー、スパ、ショッピングアーケードがあります。

レストラン
ガディス(Gaddi's): フランス料理
フェリックス(Felix): パシフィックリム料理 (内装デザイン：フィリップ・スタルク)
嘉麟楼(Spring Moon): 広東料理 (内装デザイン：フランク・ロイド・ライト)
チェサ(Chesa): スイス料理
今佐(Imasa): 日本料理
ザ・ベランダ(The Verandah): 地中海料理

バー・ラウンジ
ザ・ロビー(The Lobby): アフタヌーンティー
ザ・バー(The Bar): バー
ザ・プール・テラス(The Pool Terrace): 軽食

その他
ザ・ペニンシュラスパ(The Peninsula Spa by ESPA): スパ
ザ・ペニンシュラ ショッピングアーケード(The Peninsula Shopping Arcade)
ザ・ペニンシュラブティック(The Peninsula Boutique): ホテル関連商品の販売(地下1階)
* 屋内プール

アフタヌーンティー

ザ・ロビーで提供されるアフタヌーンティーは、ホテルの名物として有名で、多くの観光客がこれを求めて訪れます。宿泊客以外も利用できますが、プライバシーとセキュリティのため、入場できるエリアは制限されています。宿泊客は予約が可能ですが、非宿泊客は先着順での案内となります。

送迎サービス

ホテルでは、専用のロールス・ロイスとヘリコプターによる送迎サービスを提供しています。空港到着時には、ホテルのスタッフが到着ゲートから車やヘリコプターまで案内し、荷物の運搬をサポートします。出発時にも同様のサービスを提供します。

ロールス・ロイス
ホテルは1970年代からロールス・ロイスを専用の送迎車として使用しており、「ロールス・ロイス・フリート」は世界的に有名です。現在は「ファントム」計14台が使用されており、車内にはミネラルウォーターや英字新聞が用意されています。

ヘリコプター
タワーの屋上には専用のヘリポートがあり、香港国際空港との間をヘリコプターで移動することができます。ヘリポートには、パンアメリカン航空の飛行艇をイメージしたラウンジ「チャイナ・クリッパー」があります。

ザ・ペニンシュラ香港は、その歴史と伝統、そして最新の設備とサービスを兼ね備えた、香港を代表する高級ホテルです。一度は訪れてみたい、特別な場所です。

ザ・ペニンシュラ香港日本語公式ホームページ

もう一度検索