香積寺 (西安市)

香積寺（こうしゃくじ）：浄土宗の祖庭

香積寺は、中国仏教の浄土宗における重要な寺院であり、その歴史は唐代に遡ります。陝西省西安市長安区に位置し、美しい神禾原に囲まれた静かな場所にあります。この寺院は、浄土宗の第二祖である善導大師を祀る寺として知られています。

歴史

香積寺の起源は、善導大師の弟子である懐惲が、師の円寂後にその徳を偲び、永隆2年（681年）に神禾原に善導塔を建立したことに始まります。この塔が寺院の中心となり、次第に伽藍が整備されていきました。神龍2年（706年）には、正式に「香積寺」という名前が与えられました。

唐代には、香積寺は長安における名刹として名を馳せ、多くの文化人や僧侶が集まる場所となりました。王維もその一人で、有名な漢詩「過香積寺」を残しています。しかし、安史の乱以降、寺運は徐々に衰退し、会昌の廃仏によって大きな打撃を受け、一時荒廃しました。

その後、北宋時代に開利寺と改名された時期もありましたが、元の名前に戻されました。清の乾隆年間や中華民国初期には修繕が行われましたが、文化大革命中に再び大きな被害を受けました。現在の伽藍は、善導塔を除き、1980年代以降に修復・再建されたものです。

善導塔

香積寺の中心にそびえ立つ善導塔は、寺院の創建当初から残る貴重な建造物です。善導大師の遺骨が納められており、浄土宗の信者にとっては特別な場所となっています。

日本との関わり

日本の浄土宗は、香積寺を善導大師の墓所がある「祖庭」として非常に重要視しており、寺院の復興に多くの協力をしています。日本の浄土宗各派からの寄進によって、伽藍の整備や文化財の保護が進められています。

アクセス

香積寺へのアクセスは比較的容易です。西安地下鉄2号線の航天城駅で下車し、駅近くのバス停から遊9路バスに乗車、「香積寺村」バス停で下車後、徒歩約10分です。バス停からは善導塔が見えます。

所在地: 中華人民共和国陝西省西安市長安区郭杜街道神禾原

入場料: 無料

まとめ

香積寺は、中国浄土宗の歴史と文化を伝える貴重な寺院です。善導大師を偲び、美しい伽藍を訪れることで、浄土宗の教えに触れることができるでしょう。日本の浄土宗との深い関わりも、この寺院の魅力をさらに高めています。

参考資料

* 香積寺

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