馨香院

馨香院（しんこういん）は、寛文6年（1666年）に誕生し、天和3年閏5月23日（1683年7月17日）にその短い生涯を閉じた女性です。彼女は、広島藩の藩主であった浅野綱長の正室であり、尾張藩主・徳川光友の三女として生まれました。実名は貴姫（あてひめ）といいました。

馨香院は、尾張国において、徳川光友とその側室である村尾氏の間に生まれました。幼少の頃より、徳川家の一員として大切に育てられたと考えられます。

延宝3年（1675年）5月、彼女は兄である徳川綱誠の養女となります。これは、彼女の身分をより確固たるものとし、将来の縁組を有利に進めるための措置であったと考えられます。そして翌年の延宝4年（1676年）11月、彼女は広島藩の4代藩主である浅野綱長に嫁ぎました。この婚姻は、徳川家と浅野家の結びつきを強固にするという政治的な意味合いも持っていたと考えられます。

浅野綱長との間には、吉長と数馬（夭逝）という二人の子供をもうけました。しかし、天和3年（1683年）に江戸にて死去。若くして亡くなった彼女は、伝通院に葬られました。彼女の死は、浅野家にとって大きな悲しみであり、また、徳川家にとっても痛手であったと考えられます。

馨香院の生涯は短いものでしたが、広島藩と尾張藩という二つの名家を結びつけ、歴史に名を残しました。

参考文献

『寛政重修諸家譜』
『徳川諸家系譜』第2巻

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