浅野綱長

浅野綱長：広島藩主としての生涯と赤穂事件

浅野綱長（あさの つななが）は、江戸時代前期から中期にかけての国主・外様大名であり、安芸国広島藩の第4代藩主です。浅野家19代当主として、激動の時代を生きました。

生涯

3代広島藩主・浅野綱晟の長男として江戸で生まれた綱長は、延宝元年（1673年）に父の死去により家督を相続。将軍徳川家綱より偏諱を授かり綱長と改名し、安芸守を通称とすることを許されました。元禄6年（1693年）には祖父である光晟が死去し、藩政を担うことになります。元禄12年（1699年）には寛永寺本坊の造営に功績を残しました。

宝永5年（1708年）に50歳で病死。跡は長男の吉長が継ぎました。

赤穂事件

元禄14年（1701年）に分家の赤穂藩主・浅野長矩が吉良義央に刃傷に及び、改易切腹となった赤穂事件は、綱長の人生に大きな影を落としました。本家に対する連座を恐れた綱長は、家臣を赤穂藩に派遣して穏便な開城を迫り、赤穂浪士による吉良家への討ち入りを阻止しようとしました。同志の盟約から抜けさせるなど、一党の切り崩しを図ったものの、翌年12月15日に赤穂事件が発生してしまいます。

事件後、綱長は良雄の三男・良恭（当時は石束良武）をはじめとする赤穂藩の旧臣を召し抱えましたが、大石家との婚姻による一門化は失敗し、次第に大石家への不信感を募らせていったとされています。

藩政

綱長の時代には、商品経済の発達による藩財政の行き詰まりが深刻化しました。そのため、家臣団の知行削減や藩札の発行といった財政政策を余儀なくされました。

系譜

父：浅野綱晟
母：愛姫（九条道房の長女）
正室：馨香院（徳川綱誠の養女、徳川光友の三女）
長男：浅野吉長
側室：吉村氏
三男：浅野長賢
* 四男：中川久慶（中川久忠の養子）

浅野綱長と広島

広島藩主として、藩政に尽力した浅野綱長。赤穂事件という不測の事態にも直面し、苦悩しながらも藩の維持に努めました。彼の時代は、藩政改革の必要性と、武士道のあり方が問われた時代であったと言えるでしょう。

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