馬場昇

馬場昇の生涯と業績

馬場昇（ばば のぼる）は、日本の政治家として、特に日本社会党において際立った存在でした。彼は1925年11月26日に熊本県の湯浦町（現・芦北町）で生まれ、教育界でのキャリアを経て、政界に進出しました。学業を終えた後、熊本高等工業学校（現在の熊本大学工学部）を卒業し、1947年には教職に就きました。その後、教職員組合に加入し、1951年から専従職員として活動を始めました。

1952年には熊本県高等学校教職員組合の初代副委員長に就任し、その後も日教組中央執行副委員長、熊本県総評副議長など、教育界のリーダーシップを発揮しました。1972年には、衆議院議員として初当選を果たし、政治活動の舞台へと急速に進出しました。

1980年には日本社会党の中間左派派閥である新生研究会を結成し、代表委員に選ばれました。この時期、馬場昇は党内の上下関係や派閥間の対立に精通し、なおかつ党の統一を図るために尽力しました。特に83年には、参院選での惨敗を受け、党の委員長に就任した石橋政嗣の下で党中央執行副委員長として活動開始。若干の異論もあったものの、馬場は党の方向性の運営に関与しました。

その後の1993年、熊本2区の定数削減に伴い、衆院選で落選し政界からの引退を余儀なくされます。この選挙では馬場は7回の当選を誇り、政治家としてのキャリアを築いてきました。引退後も彼の一貫した姿勢は多くの人々の共感を呼び、特に護憲運動や革新統一運動といった市民運動に積極的に関与しました。

2015年には肺炎のため亡くなり、89歳という生涯を閉じましたが、その足跡は多くの人々に残り続けています。彼は生涯を通じて、社会党の理念を堅持し、教育や平和問題に関心を寄せ、著作も残しています。著書には、『日本社会党50年の盛衰 護憲・九条の党で平和な世界を』や『水俣病にみる国家の犯罪』があります。これらの著作では、彼の政治哲学や教育への思いが反映されています。

また、彼の元秘書であった宮腰美保子も政治家として活動しており、その影響力は馬場昇から受け継がれた部分もあると考えられます。彼の生き様は、一つの時代の象徴であり、教育、政治、そして社会活動の中で彼が果たした役割を評価し続けることが重要です。これからの社会を考える上でも、彼の信念や行動に触れることは意義深いと言えるでしょう。

もう一度検索